「ロッキー」の親友役俳優が死去、83歳 スタローンも追悼「君を失い寂しくなる」

米俳優バート・ヤングさんが死去した。83歳だった。「ロッキー」シリーズのポーリー役や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のギャングメンバー役などで知られる。ロサンゼルスで8日に亡くなったことを、娘のアン・モレア・スタインギーサーさんがニューヨーク・タイムズ紙を通して発表した。

アンさんは、父バートと出演作『コンボイ』の監督でもあった故サム・ペキンパーは気の合う者同士だったとして、「2人とも、芸術に深い敬意をもった破天荒な反逆者でした」「彼らはペキンパーが求めてきた凄まじさと正直さを通してお互いを理解していました。彼は、本物ではないものに我慢ならなかったのです」と語っている。

1940年にニューヨークのクイーンズで生まれたバートは、16歳で米海兵隊に入隊、従軍中にボクシングを始め、一時期はマイク・タイソンを世に送り出したトレイナー、カス・ダマトのもとプロのボクサーとして活動した。

その後バートは、160作品以上の映画やテレビ番組に出演、ギャングのメンバーや刑事、肉体労働者役などを演じたバートの演技は、苦境に立たされているキャラクターに常に複雑な感性の層をもたらしていると高く評価されていた。

1970年代には、ヒットドラマ『マッシュ』や『シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛』『チャイナタウン』といった映画に出演、1976年作『ロッキー』では主人公の将来の義理の兄となるポーリー役を演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。

またバートは画家としても知られており、ピカソやマティスに影響を受けた絵画は世界中で展示されている。

バートの訃報を受けて、「ロッキー」シリーズ6作品で共演したシルベスター・スタローンは、インスタグラムで「親愛なる友人バート・ヤングへ。君は素晴らしい男であり芸術家だった。僕と世界は君を失い非常に寂しくなることだろう。安らかに」とスタローンは故人を偲び、お悔みの言葉を綴っている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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