極彩色の灯りに染まる境内、幻想の景色に 京都・万福寺で催し、本場の中国から作品輸入

隠元が船で日本に訪れた様子を表現したランタン(宇治市五ケ庄・万福寺)

 京都府宇治市五ケ庄の黄檗宗大本山・万福寺で、大型ランタン(中国ちょうちん)を点灯する催し「黄檗ランタンフェスティバル」が夜間に開かれている。江戸初期に禅文化や煎茶を日本に伝えた開祖・隠元にちなんだランタンなど約30基が、重要文化財の建造物が並ぶ境内を極彩色に染めている。

 同寺の由来である中国文化や隠元を知ってもらおうと、長崎市の冬の風物詩「長崎ランタンフェスティバル」を参考に昨年から開催している。本場の中国の技師が制作したランタンを輸入し、境内で組み立てた。

 隠元が渡来したエピソードにちなんだ大きな船や日本に持ち込んだ茶器をはじめ、伝説上の動物である麒麟(きりん)や、桃とサルで表現した桃源郷、かわいらしいパンダなど、多彩なランタンを各所に設置。今年は小ぶりの花灯籠やイルミネーションも加え、幻想的な風景を演出している。

 同寺の荒木將旭執事長は「ランタンを見て平和を願いつつ、目で楽しんで笑顔になってもらいたい」と話す。

 12月10日まで。期間中は肉まんやワンタンなどの屋台が出店するほか、土日曜・祝日に中国の伝統芸能である変面ショーや中国楽器のコンサートといったイベントを催す。

 フェスティバルの時間は午後5時半~9時。大人1500円、学生千円、中高生500円、小学生以下は無料。割引価格の前売り券も販売している。問い合わせは同寺0774(32)3900。

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