【MLB】 アストロズが2連勝でシリーズをタイに アストロズの外弁慶・レンジャーズのブルペンの弱さ 前評判そのままのシリーズに

写真:先制二塁打を放ったアストロズ・ブレグマン

今日行われたア・リーグチャンピオンシップシリーズ第4戦は、アストロズがレンジャーズの先発投手を打ち込んでシリーズを2勝2敗のタイに戻した。

アストロズ打線は初回、レンジャーズの先発アンドリュー・ヒーニーの立ち上がりにつけ込み、4連打で3点をいきなり先制。ヒーニーを1回持たずでノックアウトする。

その後、レンジャーズ打線もアストロズ先発ホセ・ウルキディを捉えて同点に追いつくが、アストロズが直後の4回表に下位から無死満塁のチャンスを作る。そのチャンスを逃さず、4番ヨーダン・アルバレスの犠牲フライ、5番ホセ・アブレイユの3ラン本塁打で4得点。一気にレンジャーズを突き放した。アストロズは結局、10対3で大勝を収めた。

大量援護を得たアストロズのブルペンは、ウルキディが2.1回で降板した後、3回を投げ抜いたハンター・ブラウンを中心としたリレーで無失点。ブルペンに不安を抱え、先発投手を多くブルペンから起用したレンジャーズの継投リレーが、7失点を許したのとは対照的だった。

これでシリーズは互いに敵地で2連勝して、2勝2敗のタイとなった。ここまでのシリーズの展開は、白熱しながらも両チームの特性がそのまま反映された、”下馬評通り”のシリーズになっていると言っていい。

まず、アストロズが「ロードに強く、ホームに弱い」というデータがここまでくっきりと現れている。

アストロズは今シーズン、ホーム勝率.481に対して、ロードは.630と成績が大きく離れている。プレーオフでも”外弁慶”っぷりは健在で、ホームで行われた4試合では地区シリーズの第1戦でしか勝利できていない。

ホームでの弱さもあって際立つのがロードでの強さだ。プレーオフはここまでロードで全勝しているが、4勝中3勝が8得点以上の大勝。1・2回の内に3得点以上を挙げるビッグイニングを作って先制しており、自慢の強力打線が機先を制する、先攻のメリットを活かした野球を展開できている。

しかも、レンジャーズは今年ホームで50勝31敗(アストロズもロードで50勝31敗)と、ホームでは十分に強いため、やはりアストロズのロードでの強さが際立ってくる。

そして、試合展開でも両チームの特性はくっきりと別れている。端的に言えば、レンジャーズにとっては「先発が長いイニングを投げられるか」、アストロズにとっては「いかにレンジャーズの先発を早く降ろすか」が試合のターニングポイントとなっている。

レンジャーズが勝利した2試合では、先発投手がいずれも6回以上を投げ抜いて試合を作った。しかし、アストロズが勝利した2試合では、第3戦が4回、第4戦が0.2回と早々にレンジャーズの先発をノックアウトする展開になった。

レンジャーズとアストロズ、両者の実力で最も差があるのは、ブルペンのクオリティだ。アストロズのブルペンはリーグ屈指のレベルにあるのに対し、レンジャーズのブルペンはリーグ全体で見ても下から数えたほうが早い。

レンジャーズはここまで、先発投手ができるだけ長いイニングを投げ、ブルペンの登板機会を制限することができていたため、その弱点を突かれることを避けられていた。しかし、強力アストロズ打線を前にすれば、そう簡単にはいかない。それが現れているシリーズ第3・4戦になっている。

明日の第5戦は、第1戦のマッチアップが再び実現。アストロズがジャスティン・バーランダー、レンジャーズがジョーダン・モンゴメリーと互いのエースが再び見える。アストロズの「ロード不敗神話」が崩れるのか、レンジャーズの先発投手がどれほど保つのか。勝てば王手の第5戦からは目が離せない。

© 株式会社SPOTV JAPAN