友情に支えられ、集大成の絵画展 茂木の田口さん ふみの森もてぎで26日まで

集大成の個展を開いている田口さん(前列中央)と妻友子さん(その後方)、開催を後押しした同級生ら友人たち

 【茂木】趣味で油絵を60年以上も描いてきた小井戸、田口忠夫(たぐちただお)さん(83)の集大成となる絵画展「日本紀行」が20日、ふみの森もてぎで始まった。体のまひで今は絵筆を握れないが、同級生や友人がパンフレット作成から絵の搬入まで後押しした。田口さんは「丈夫になって新しい景色を見つけたい」と、友情に気持ちを奮い立たせている。26日まで。

 田口さんは茂木高時代にクラブ活動で絵を描き始めて以来、絵に親しんできた。旅行が好きで「素晴らしい景色を見た感動を表現したい」という思いが創作の原動力だ。

 しかし今年初めから体にまひが出て歩行が困難になり、絵筆も握れなくなった。妻友子(ともこ)さんや長女真理(まり)さん(49)の介助でリハビリを続けている。

 そんな田口さんを励ましたいと、個展開催の話がまとまった。同級生の坂入三男(さかいりみつお)さん(82)、鶴見弘子(つるみひろこ)さん(82)、松本正敏(まつもとまさとし)さん(83)に、同級生の弟檜山正弘(ひやままさひろ)さん(71)、友人の市原和年(いちはらかずとし)さん(80)の町内外5人が展示全般で協力した。鶴見さんは書、市原さんは山岳写真に俳句を添えた作品を展示して友情参加している。

 田口さんの展示作品は、県内外の景勝地を描いた風景画約70点で、いずれも田口さんが「見るとその時の思い出がよみがえる」という作品ばかり。真理さんと合作した静物画「花」も1枚加えた。

 皆で展示準備を終えた19日、壁一面の作品を前に田口さんは「宝物のような同級生と友人。本当に皆さんの協力がなくては開けなかった」と目を潤ませ、友子さんは「本当にありがたい」と何度も繰り返した。

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