12月下旬に通行止め解除へ 火災の尼子山トンネル、復旧に3カ月半 車23台、コンクリート壁400mを焼損

コンクリート壁が崩落したトンネル内部を調べる西日本高速道路社員ら=9月13日午後、山陽自動車道尼子山トンネル(西日本高速道路提供)

 9月上旬に発生した火災により通行止めが続いている山陽自動車道尼子山トンネル(兵庫県相生市-赤穂市、全長592メートル)について、西日本高速道路(大阪市)は20日、学識者らによる「第3回技術検討会」を同県姫路市で開き、12月下旬に通行止めを解除し、復旧する見通しであると明らかにした。

 火災は9月5日未明に発生。同トンネルを走行中の大型トラックから出火、乗用車など23台を焼いて約40時間後に鎮火した。トンネル内は約400メートルにわたりコンクリート壁がはがれ落ちるなどし、播磨ジャンクション-赤穂インターチェンジ間の西行き車線約13キロで通行止めが続いている。

 9月下旬にあった前回の検討会では、コンクリートを削るなどの工程に3カ月程度かかるとの見通しが示されていた。

 今回はトンネル内の調査を経て、傷んだコンクリートを機械で削ったり、配水管などの設備を撤去したりする作業が順調に進んでいることを確認。今後、損傷が激しい箇所は新たなコンクリートを型枠に流し込んで固め、照明などの設備を復旧させる。同社は「引き続き、一日も早い復旧に向け対応を進める」としている。(井川朋宏)

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