ビッグモーター全「聴聞」欠席 月内にも34工場行政処分へ

開始時刻までにビッグモーター側の関係者の出頭がなかった中部運輸局の聴聞会場=20日午前、名古屋市

 中古車販売大手ビッグモーターは20日、不正な自動車整備や車検に対する行政処分に向け、国土交通省の8運輸局が開いた「聴聞」の手続きを全て欠席した。「当社としての意見はない」と表明しており、陳述書も提出しなかった。国交省は道路運送車両法に基づく24都道府県34工場の処分案を公表しており、月内にも確定する。

 国交省は同社の135工場のうち、34工場を除く101工場の調査を続けており、終了は来年以降の見通し。行政処分や指導の対象を追加する可能性もある。金融庁も不適切な保険金請求の疑いで立ち入り検査し、処分を検討している。

 20日の聴聞は北海道、関東、北陸信越、中部、近畿、中国、四国、九州の各運輸局で実施。いずれもビッグモーター側の関係者は姿を見せなかった。ビッグモーターは20日、取材に対し「再発防止と信頼回復に向け尽力する」と回答した。

 国交省は7月、34工場に一斉立ち入り検査。点検・整備料金の過剰請求や車検項目の一部未実施、記録簿の虚偽記載などを確認した。

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