給食費の未納が32倍に急増 昨年度は約2000万円 納付方法変更の周知不足が原因か 広島

広島市で、給食費の未納額が昨年度2000万円を超え、急増していることがわかりました。主な原因は納付制度の変更と周知不足によるものとみられています。

広島市の小・中・特別支援学校で、昨年度の給食費の未納額はおよそ2045万円と、前の年に比べておよそ32倍に急増しています。また、今年度分についても8月末の段階で1298万円と、昨年度を上回るペースとなっています。

広島市の過去5年間の給食費未納額は25万円から112万円で、全国平均に比べても非常に低い状態が続いていました。未納額が急激に増えた原因について広島市は、昨年度から納付制度が学校ごとに集める方式から「公会計」と呼ばれる、市でまとめて集める方式に変わったために、これまでとは違う口座への振り替え手続きが必要だったことと、その周知不足を挙げています。

広島市教育委員会 健康教育課 村上早苗 課長
「登録の口座を誤って勘違いしてとらえていた方、納付の時期を勘違いして口座にお金を入れ忘れた方、そういった公会計に制度が切り替わったことについて十分に保護者に理解が進んでいない部分も一因ではないかと考えています」

公会計は、教職員の負担を軽減するために文科省が進めています。

村上早苗 課長
「これまでは督促の窓口が各学校で、保護者のみなさんにとっては身近な存在だったが、広島市教育委員会という顔が見えない相手になったというような距離感の差も、納付が滞った1つの要因になっているのではないかと考えております」

広島市「公会計」の納付は、口座振り替えのほか、コンビニでの支払い、自宅でのバーコード決済もできるということで、広島市は、あらためて周知方法を工夫するとしています。

© 株式会社中国放送