広島市内の住宅で70歳の男性の遺体を切断して遺棄したとして、31歳の男が逮捕された事件です。警察は、この男を間もなく「殺人」の疑いで再逮捕するとみられます。遺族に現在の心境を聞きました。
■植木俊太さん
「失そうして約2年間、どうして戻らなかったのだろうという思いでいっぱいでした。」
こう語るのは、亡くなった植木秀俊さんの長男・俊太さんです。
警備員だった秀俊さんは母親と2人暮らしで、介護もしていました。
そんな秀俊さんが突然姿を消したのは、2021年10月でした。
秀俊さんの車や携帯電話は、残されたまま。警察は、当時事件性をうかがわせるものはなかったとしていました。
■植木俊太さん
「祖母の介護疲れで失そうしたのかな、耐えられなかったのかなと最初はあった。」
その後、秀俊さんの遺体の一部が山口県や広島市内の海岸で発見されます。
事件が動いたのは10月1日。
警察は、遺体を切断・損壊し、一部を海に捨てたりしたなどとして、秀俊さんの知人の男を逮捕しました。逮捕の知らせに俊太さんは。
■植木俊太さん
「悔しい思いと悲しい思いと、犯人が逮捕されて強い憤りを感じている。」
現場となったのは容疑者の祖母の住宅で、容疑者と秀俊さんはこの家を頻繁に出入りしていました。事件当日、祖母は上京しており、容疑者は「植木さんと2人きりになった」と供述しています。俊太さんもこの家を1度訪れ、容疑者と話したと言います。
■植木俊太さん
「普通に会話はできて静かな青年という印象だった。一言でいって『ふざけるな』『返せよ』という話。」
俊太さんが秀俊さんと最後に会ったのは、事件の2か月前。俊太さんの出張先で合流していました。
■植木俊太さん
「いいことをするとほめられたりとか、やさしかったりとか、そんな父でした。体をすべて見つけて(父を)弔ってあげたいという思いはあります。」
秀俊さんの遺体は、右足と上半身以外は今も見つかっておらず、凶器の刃物も特定されていません。捜査関係者によると、警察は容疑者を近く「殺人」の疑いで再逮捕する方針を固めたということです。
【2023年10月20日放送】