給与未払い、食事提供が困難…サ高住で資金不足、宮代町などが入居者移転させる 運営法人から詳細聞けず

サ高住が資金不足、入居者移転=埼玉県宮代町

 埼玉県宮代町笠原1丁目のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「グリーンプラザみやしろ」で、資金が不足し、入居者が他の施設に移転していることが、20日までに分かった。

 町によると、9月16日、施設の職員から、運営費が不足し、給与の未払いがある、食事が提供できないなどの相談があったという。同町と県が施設に立ち入り、聞き取りを進めたところ、運営に必要な資金が施設に入金されていないことが分かったという。

 定員は34人。町が相談を受けた当初は29人が入所していた。県、町は同施設や入居者に対し、入居者の安全を確保するため、他の施設への移転を促した。移転が長引いた入居者に対し、町が食費を負担した。入居者全員が移転する見込みだという。

 サ高住は、要介護度が高くない高齢者を対象に安否確認や生活相談サービスなどを提供する住宅。「グリーンプラザみやしろ」は、介護保険事業者として、特定施設の指定も受けていた。

 施設は一般社団法人「令和会」が運営。入居者からの家賃や介護報酬は「令和会」に支払われていたが、運営費が施設に回らず資金不足に陥ったとみられている。県が同法人に問い合わせているが、詳しい事情は聞けていないという。

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