訪日客 コロナ前に宿泊回復 栃木県の回復率は全国3位

 政府が新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和してから今月(10月)で1年が経ち、海外から日本を訪れた人が、コロナ前の水準にほぼ戻ったことが日本政府観光局の発表で分かりました。また、宿泊者数の回復率で栃木県は全国3位となっています。

 木々が色づき始め、これから紅葉の最盛期を迎える県内有数の観光地、日光市の鬼怒川温泉です。客室数が259と、この場所で最も規模が大きい日光きぬ川ホテル三日月の入り口には、台湾からの団体客を歓迎する看板が立てかけられていました。

 日本政府観光局が10月18日に発表した9月の訪日客数は、218万4,300人で2019年の同じ月と比べて96.1%となり、コロナ禍前の水準にほぼ回復しました。

データ分析を行うEYジャパンによりますと、今年1月から6月の都道府県別の延べ宿泊者数は、2019年の同じ期間と比べて東京都が104.9%で唯一上回り、栃木県は90.3%で回復率は全国3位でした。

 先日行われた秋の日光を代表する催し「百物揃千人武者行列」にも多くの外国人観光客の姿が見られました。このホテルでは、施設のすぐ横を流れる鬼怒川を眺められる部屋が外国人観光客にも人気があるといいます。アジアからの団体旅行が再開し、今年受け入れた団体客は3,500人とすでに2019年を300人近く上回っています。台湾の客は宴会を好むため、会場ではこの日も夜に向けて準備が進められていました。

 また、宿泊予約サイトを使って訪れる個人の外国人は、コロナ禍前の10倍近くの500人にまで増え、以前は、ほぼゼロだった欧米から訪れる人も増えてきているということです。

 一方で、全国を見てみますと、25の道と県では宿泊者の回復率が6割に届いておらず、地域で明暗が分かれている状況で、県内の宿泊施設では、この状況を好機ととらえてインバウンド需要にこたえたいと考えています。

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