鶴岡市西目で高齢夫婦2人が犠牲となった土砂崩れで、復旧工事を行っている県は20日、報道機関向けに現地説明会を開いた。安全対策として斜面の土砂を削り取る工事は今月末までに、避難者住宅上部が終了し、災害で崩れた部分が3割程度まで進む見通しを示した。土砂の搬出は今月末までに全体で3割程度まで終わり、本年度内に完了するとした。
避難者住宅上部はBブロック、崩れた部分はAブロックとして作業している。地上から高さ約30メートルのBブロックは約1万6千立方メートルの土砂を取り除き、高さを7~8メートルほど下げて安全性を確保する。掘削後に地すべり観測機器や警報装置を設置し、11月末までに運用を開始する計画。現場ではドローンによる測量などICT(情報通信技術)を活用している。Bブロックについては従来の方法より作業日数が6割程度短縮されているという。
一方、市の担当者も説明し、12月末までに市道や宅地の土砂、がれきを撤去し、整地などを含めて来年3月末までの完了を目指すとした。避難指示の解除については「斜面の安全性と、警報装置の可動などの状況を確認した上で解除時期を検討したい」と語った。