栃木シティが初戦敗退で地域CLへ百年構想枠願うのみに...前回準優勝BTOPも敗退、刈谷や東京23FCら2回戦へ【Road to JFL/全社1回戦】

目指すはJFL! サッカーファンを魅了してやまない“全社”が開幕[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

21日、第59回全国社会人サッカー選手権大会(以下:全社)の1回戦16試合が佐賀県各地で行われた。
目指すはJFL昇格! 前回王者ブリオベッカ浦安に続け! “全社”2023が21日開幕【Road to JFL】

日本全国の地域リーグから全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)の出場権獲得(※1)、そして日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指すチームが集う“全社”。今年は佐賀県開催となり、その1回戦16試合が行われた。

(※1)大会レギュレーションについては「目指すはJFL昇格!前回王者ブリオベッカ浦安に続け! “全社”2023が21日開幕【Road to JFL】」をご参照ください

★BTOP北海道(北海道1位) 2-3 FC BASARA HYOGO(関西1部6位)

前回準優勝のBTOP。北海道リーグ2連覇で地域CL2023への出場権を確保済みの彼らは20分、ブランデュー弘前FC、東京23FC、ジョイフル本田つくばFC、BTOPと渡り歩くFW海野捷人(26)が先制弾を叩き込む。

BTOPは19日、AC長野パルセイロから育成型期限付き移籍でGKリュウ・ヌグラハ(23)の加入を発表。リーグベストイレブンのGK畠山諒介(22)を差し置いてリュウが先発したなか、36分にクロスからのヘディング弾で同点とされる。

さらに後半立ち上がりの43分(全社は40分ハーフ)、CKの流れからこぼれ球を押し込まれて1点を追う展開に。47分にややラッキーな形のオウンゴールで同点とするも、67分に今度はBTOPのオウンゴールで2-3と再び勝ち越される。

結局、2年連続での地域CL出場を控えるBTOPは、その前哨戦となる全社で初戦敗退。関西1部でボトムハーフに終わったBASARA HYOGOとの接戦を落とした形となり、課題が残る今年の全国初戦ということになった。

★ジェイリースFC(九州2位) 1-0 栃木シティFC(関東1部2位)

地域リーグ屈指の資金力がありながら、2017年以来となるJFL復帰を逃し続けている栃木。今季は関東1部優勝も逃し、「全社から地域CLへ」を目指すことに。地域CLに向けてはJリーグ百年構想クラブという優位性もあるなか、自陣でのパスミスから開始7分に先制を許してしまう。

自力での地域CL出場権獲得なら全社ベスト4(※1)がマストだが、最後まで決定機を作れず、ここ1〜2年の躍進が目覚ましいジェイリースに内容の乏しい0-1で敗戦。栃木は全社枠3チームが今大会の成績で埋まらないこと、そして百年構想クラブ枠の繰り上げ適用を願うのみとなった。

★ベルガロッソいわみ(中国4位) 0-3 FC刈谷(東海1部2位)

昨年の地域CLで決勝ラウンドに進みながら、今季の東海1部で優勝を逃し、「全社から地域CLへ」を目指している刈谷。所属選手28人の平均年齢24.0歳という若きチームは24歳MF齋藤雅之が12分にPK、23分に鋭いフェイントから右足弾を叩き込み、早い段階で2点リードとする。

56分にはMF尾﨑僚(23)が勝利を大きく手繰り寄せる3点目。刈谷は中国サッカーリーグ4位のベルガロッソを寄せ付けず、3-0の勝利に。全社ベスト4を最低ラインに掲げるなか、ヤングタレント集団は順当に2回戦への進出を決めた。

★東京23FC(関東1部9位) 2-2(PK:3-1) 阪南大クラブ(関西2部2位)

JFL昇格を逃せば関東2部降格もあり得る23FC。開始9分で大学生チーム・阪南大クラブに直接FKを叩き込まれるも、40+3分に元刈谷のFW清水光(27)が起死回生のPK弾。前半ラストプレーでなんとか追いつく。

64分には敵陣での即時奪回から投入直後のMF小林颯(25)が右足ミドルを突き刺して逆転。JFL昇格、関東1部残留、関東2部降格の可能性がある23FCはこのまま試合を終わらせたかったが、80+5分にCKから被弾。後半ラストプレーでPK戦行きとなった。

PK戦では両チームとも1人目が成功し、先攻・阪南大クラブの2人目を23FCのGK大石文弥(30)がセーブ。後攻・23FCが2人目も成功したなか、阪南大クラブは3人目のキッカーがシュートを枠外へ飛ばす。

両チーム3人目まで終えて3-1。23FCの守護神・大石は阪南大クラブの4人目も正面へのシュートをストップし、とうとう決着。PK戦を3-1で制した23FCがエース清水の古巣である刈谷との2回戦へ駒を進めた。

★守山侍2000(関西1部4位) 2-2(PK:3-5) wyvern(ワイヴァン/東海1部1位)

今季の東海1部で昇格即初優勝を達成したwyvern。地域CL行きが決定済みの新興勢力だが、前哨戦となる全社初戦は開始2分に被弾。GK土屋ヒロユキ(23)が正面へのシュートを処理し損ねてネットへ。ボールが土屋の処理直前に不規則なバウンドをしたため、やや不運な失点となった。

それでも28分、MF谷口祐亮(25)が同点ゴールを決め、wyvernの全国舞台初得点ということに。62分に左CKから勝ち越し点を叩き込まれたが、終了間際の80+6分にMF西原樹(28)が値千金の同点弾。PK戦へと持ち込み、これを5-3で制して2回戦進出を勝ち取った。

★アルテリーヴォ和歌山(関西1部1位) 1-0 東京ユナイテッドFC(関東1部3位)

“Jなし県”の夢を乗せて戦うアルテリーヴォ和歌山。関西1部2連覇で2年連続の地域CLストレートインを決めた彼らは49分、MF田口遼(28)の左足クロスに在籍7年目を迎えたMF堀野翔(29)が飛び込んで先制点を掴み取る。

和歌山はこの1点を守り抜き1-0で勝利。アルティスタ浅間(北信越5位)との2回戦へ駒を進めた。一方で、「全社から地域CLへ」を目指した東京ユナイテッドは地域CL出場の望みが潰えることとなった。

★VONDS市原FC(関東1部1位) 0-2 FC延岡AGATA(九州2位)

関東1部を4年ぶりに制したVONDS。高校サッカーの名将・布啓一郎監督率いるリーグ戦18試合「8」失点の堅守軍団は、昨年の全社2回戦で0-2と敗れた延岡との一戦をゴールレスのまま進め、勝敗の行方はPK戦に委ねられるかと思われた。

しかし「全社から地域CLへ」を目指す本気の延岡が80+2分、左CKからMF池元馨(25)が値千金の先制弾。80+7分にもカウンターからダメ押しの2点目が決まり、昨年に続いてVONDSを2-0と撃破。2回戦進出はVONDSではなく延岡が勝ち取った。

◆1回戦結果
10月21日/11:00
[1]BTOP北海道 2-3 FC BASARA HYOGO
[2]ジェイリースFC 1-0 栃木シティFC
[3]ジョイフル本田つくばFC 5-0 トヨタ蹴球団
[4]KUFC南国 0-1 コバルトーレ女川
[5]ベルガロッソいわみ 0-3 FC刈谷
[6]東京23FC 2-2(PK:3-1) 阪南大クラブ
[7]福山シティFC 0-1 東邦チタニウム
[8]KMGホールディングスFC 4-3 NUHW FC

10月21日/13:30
[9]ヴェロスクロノス都農 3-2 厚木はやぶさFC
[10]守山侍2000 2-2(PK:3-5) wyvern
[11]アルテリーヴォ和歌山 1-0 東京ユナイテッドFC
[12]岳南Fモスペリオ 2-3 アルティスタ浅間
[13]北海道十勝スカイアース 4-0 Brew KASHIMA
[14]FC徳島 5-1 FC LA U. de Sendai
[15]FCバレイン下関 1-1(PK:4-2) 飛鳥フットボールクラブ
[16]VONDS市原FC 0-2 FC延岡AGATA

◆2回戦対戦カード(22日)
11:00
[17]FC BASARA HYOGO vs ジェイリースFC
[18]ジョイフル本田つくばFC vs コバルトーレ女川
[19]FC刈谷 vs 東京23FC
[20]東邦チタニウム vs KMGホールディングスFC

13:30
[21]ヴェロスクロノス都農 vs wyvern
[22]アルテリーヴォ和歌山 vs アルティスタ浅間
[23]北海道十勝スカイアース vs FC徳島
[24]FCバレイン下関 vs FC延岡AGATA

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