●アニメの聖地・湯涌温泉に活気
第11回湯涌ぼんぼり祭り(北國新聞社後援)は21日、金沢市の湯涌温泉で行われた。同温泉を舞台のモデルにしたアニメ「花咲くいろは」にちなんだイベントで、今年は新型コロナの5類移行に伴って、昨年の2倍となる約3千人(主催者発表)が全国から訪れた。海外からもファンが駆け付け、アニメの聖地はコロナ前に負けないほどの活気に満ちた。
3年ぶりの開催となった昨年に引き続き、来場者は宿泊客や入場券の購入者、個人協賛に限った。湯涌温泉観光事業協同組合によると、オーバーツーリズム(観光公害)を防ぐためにも、今後も入場制限を続けるという。
メイン行事のぼんぼり巡行は午後6時半ごろから始まり、作品に描かれたシーンにならって、願い事が書かれた「のぞみ札」を納めたかごを地元住民が担いで練り歩いた。湯涌稲荷神社で神事が営まれ、玉泉湖畔でのぞみ札が焚(た)き上げられた。
巡行に先立ち、同神社下の扇階段特設ステージでは、西金沢少女団、ほくりくアイドル部、ゆのさぎJapanが熱いパフォーマンスで会場を沸かせた。
新型コロナの影響で昨年は来られず、韓国から初めて訪れた会社員ソン・ジュン・コンさん(27)は、「より感動を味わうためにアニメを見返してから来た。本当に美しい」と笑顔を見せた。
湯涌温泉観光協会の安藤有(たもつ)会長はあいさつで、「制限がなかったコロナ前に戻ったようでうれしい。長く続く祭りにし、湯涌温泉を知ってもらいたい」と話した。