長崎・壱岐 遭難の引き揚げ船 犠牲者追悼 日韓の僧侶ら合同慰霊祭

日韓合同慰霊祭で法要をする韓国の僧侶ら=壱岐市、天徳寺

 長崎県壱岐市芦辺町の天徳寺(西谷徳道住職)などで17日、78年前に台風で遭難した朝鮮半島への引き揚げ船の犠牲者を追悼する日韓合同慰霊祭が4年ぶりにあった。韓国から水谷寺の僧侶ら19人を招き、壱岐内外の僧侶らを合わせ約60人が参列した。
 終戦直後の1945年10月11日、九州から朝鮮半島への引き揚げ船が台風に遭い、芦辺港で転覆沈没。168人の死者と多数の行方不明者を出したという。
 当時、収容された遺体は町内各所に埋葬。その後、埼玉県所沢市の金乗院で保管されてきたが、2018年5月、131柱が遭難現場に近い天徳寺に移された。合同慰霊祭は1998年から壱岐市と韓国・慶州市で交互に開かれている。
 慶州市で遭難者を供養する水谷寺の孫慈厳住持は「皆さんに感謝する。今年が無理でも来年は必ず壱岐島にある遺骨が一日も早く母国に帰って安らかに眠れるよう力をお借りしたい」とあいさつした。

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