サンマ漁復調も価格は高いまま… 岩手県、今季水揚げ41.8%増

三陸産のサンマが並ぶスーパーの鮮魚コーナー。前年より水揚げは多いが、店頭価格は高止まり傾向にある=盛岡市向中野

 岩手県のサンマ漁が復調傾向にある。県の「いわて大漁ナビ」によると、今季の水揚げ量は2099トンで、前年同期に比べ41.8%増。近海に漁場が形成され、小型船も出漁しやすくなったことが大きい。ただ、豊漁だった10年前に比べると6分の1にとどまり、店頭価格も高止まり。消費者が期待する「庶民の味」には、なかなか戻りそうにない。

 大船渡市魚市場には19日、小型船(19トン)3隻が計5.5トンを水揚げした。宮古沖約80キロの海域で操業し、約1トンを確保した第8隆盛丸の千田喜一漁労長(61)=同市三陸町綾里=は「魚の群れが近くに来たおかげで、数年ぶりに漁ができた」と安堵(あんど)する半面「魚影が薄く、全然足りない」と今後に期待した。

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