夜空染めるたいまつの炎 京都・鞍馬の火祭

京都市左京区の由岐神社一帯で行われた「鞍馬の火祭」。締め込み姿の若者らが燃え盛るたいまつを担いで練り歩いた=22日夜

 秋の夜空を無数のたいまつが赤く染める奇祭「鞍馬の火祭」が22日、京都市左京区の鞍馬山にある由岐神社一帯であった。暗闇の中で炎が燃え盛り、火の粉が激しく舞い散る様子に、観客は見入った。

 日没後の午後6時ごろ、「神事にまいらっしゃーれ」のかけ声とともに、沿道の軒先にかがり火がともされた。小さなたいまつを抱えた子どもたちに続き、鉢巻きに締め込み姿の若者らが大きなたいまつを担いで登場。最良の祭りという意味の「サイレイヤ、サイリョウ」と声を上げた。

 火祭は、940年に祭神を京都御所から鞍馬の地に移した際、住民がたいまつで出迎えたのが起源とされる。

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