ユベントスが敵地で10人ミランを撃破! ロカテッリ弾守り抜きウノゼロ勝利【セリエA】

[写真:Getty Images]

セリエA第9節、ミランvsユベントスが22日にサン・シーロで行われ、アウェイのユベントスが0-1で勝利した。

首位のミラン(勝ち点21)と、3位のユベントス(勝ち点17)によるインターナショナルブレーク明け初戦のビッグマッチ。

ミランは前節、プリシックの土壇場弾と退場した正GKメニャンの代役を担った守護神ジルーの活躍でウノゼロ勝利。リーグ4連勝での首位キープに成功した。今節は週明けにグループステージ初勝利を目指すチャンピオンズリーグ(CL)のパリ・サンジェルマン(PSG)戦を控えるなか、難敵とのホームゲームに臨んだ。

ピオリ監督はこの強豪対決に向け、前節から先発5人を変更。サスペンションのメニャン、負傷のセカンドGKスポルティエッロを欠くGKに40歳ミランテを起用したほか、同じくサスペンションの手オ・エルナンデスの代役にフロレンツィを起用し、カラブリアを右サイドバックで起用。3トップはプリシック、ジルー、レオンの主力3人が並んだ。

一方、ユベントスは前節、トリノとのデルビーに2-0で完勝し、直近2勝1分けと調子を維持。ただ、ピッチ外ではファジョーリの違法賭博問題が大きなトピックとなるなど落ち着かない状況で中断期間を過ごすことになった。敵地での勝利で心機一転を図りたいアッレグリ監督は、前節から先発2人を変更。負傷のダニーロに代わってルガーニを起用したほか、ミレッティに代えてミリクをケアンの相棒に据えた。

立ち上がりからボールの主導権を握るミラン、堅守速攻で応戦するユベントスという構図が明確に。ミランは相手が狙うカウンターを警戒してか、極力リスクを回避したボール回しで前進しつつ押し込む形を作り出す。

序盤はなかなか決定機まで持ち込めずにいたが、14分にはカウンターの形で左サイドを打開したレオンの折り返しからジルーに決定機。うまく中央からニアに抜けたフランス代表FWは左足のシュートを枠の左に飛ばすが、これはGKシュチェスニーの好守に阻まれる。

一方、ユベントスは粘り強い守備を見せるものの、ボールを奪う位置が低くなかなか攻撃の形を作り出せない。それでも、20分過ぎにはボックス手前で得たFKの流れからコスティッチが鋭い左足のミドルシュートでホームチームを脅かした。

前半半ばから終盤にかけては互いに自分たちの狙いとする形からゴールを目指したものの、集中した相手守備を上回ることができず。一度ラビオが良い抜け出しから枠のわずか右に外れるシュートを放ったが、それ以外は決定機まであと2歩という場面が目立った。

以降も動きなく試合を折り返すかに思われたが、40分に勝敗を左右するアクシデントが発生。右サイドに流れてウェアの縦パスを受けたケアンが巧みなボディコントロールと強さをみせてDFチャウと完全に入れ替わると、チャウはたまらず後ろからユニフォームを引っ張って引き倒す。すると、マリアーニ主審は決定機阻止と判断し、迷わずレッドカードを掲示。この退場を受け、ミランはプリシックを下げてカルルを投入する形となった。

ゴールレスもユベントスが数的優位を得て迎えた後半、アウェイチームが立ち上がりから攻勢を仕掛ける展開が予想されたものの、ミランもボール保持ではほぼ互角に渡り合う。

攻撃を活性化させたいユベントスは56分、コスティッチとケアンを下げてカンビアーゾ、ヴラホビッチと同じポジションで交代を行う。これに対してミランは運動量の部分を考慮してか、ジルーとアドリを下げてヨビッチ、クルニッチとこちらも同ポジションでの交代を行った。すると、一連の交代後に試合が動く。

63分、ボックス手前右で左のウェアから横パスを受けたフリーのロカテッリが思い切って右足を振り抜くと、ペナルティアーク付近でブロックを試みたクルニッチの左腿に当たって大きくコースが変わったシュートがゴール左隅に突き刺さった。

前半の退場に続き不運な形での失点によってさらなる苦境に陥ったミラン。早い時間帯の同点を目指して前に出ていくが、個での打開が期待されるレオンやヨビッチも数的優位で対応するユベントスの守備に手を焼く。

後半半ばから終盤にかけては決定機こそ作れないものの、ミランが数的不利を感じさせない戦いぶりで最少得点差を維持。先制点以降はなかなか相手ゴールを脅かせないユベントスは、ミリクを下げてキエーザ、レオン相手にカードトラブルのリスクがあるガッティを下げてハイセンを投入。ブレーメルを相手エースに当てつつ、キエーザのスピードでカウンターの脅威を高めた。

一連の交代でひとまず試合を落ち着かせたアッレグリのチームは、トドメの2点目を奪おうと攻勢を強める。だが、ヴラホビッチの2度の枠内シュート、カンビアーゾの強烈なミドルシュートはいずれもGKミランテのファインセーブに阻まれた。

結局、追加点は奪えなかったものの、10人のミラン相手にウノゼロで逃げ切ったユベントスが2連勝を達成。一方、ホームで敗れたミランは今季2敗目となり、インテルに抜かれて首位の座を明け渡す形となった。

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