ガザと2正面「準備完了」 人道法順守求め6カ国が共同声明

イスラエルのネタニヤフ首相(ロイター=共同)

 【エルサレム、ワシントン共同】イスラエルのネタニヤフ首相は22日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスだけでなく、北部国境地帯のレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラを合わせた二正面で「あらゆる作戦の準備ができている」と強調した。北部の軍部隊を視察し語った。ガザへの地上侵攻に向けた準備の一環とみられる。

 米CNNテレビは22日、米政府がイスラエル政府にガザ地上侵攻を遅らせるよう要請したと報じた。ハマスからの人質解放やガザへの人道支援を進めるためとしている。イスラエル側は報道を否定したという。

 米英独仏とイタリア、カナダ6カ国の首脳は22日に共同声明を発表し、イスラエルの自衛権を支持すると表明した一方、民間人保護を含む国際人道法の順守を要請した。慎重な対応を促す狙いがあるとみられる。

 イスラエルはヒズボラとの交戦が激化する北部の14地区に新たに退避命令を出した。北部国境では、ガザ周辺と同様に大規模な住民退避が急ピッチで進んでいる。

イスラエルとの交戦で死亡したレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラ構成員の葬列で、イスラエルに反発するヒズボラ支援者ら=22日、レバノン・ベイルート(ゲッティ=共同)

© 一般社団法人共同通信社