レアル・ソシエダで活躍を続ける日本代表MF久保建英。ラ・リーガの月間MVPを受賞するなどスペインでも屈指の存在になりつつある。
その久保や中井卓大らを指導してきた中西哲生さんがPIVOTのYouTubeチャンネルで木崎伸也さんらと語り合った。
久保が大ブレイクした理由について聞かれた中西さんは、こんな話をしていた。
素晴らしいとしか言いようがないというか…。
この後にこういうボールの止め方をしたらこうなるというのは僕も次に来る動きは分かる。
それが今までスムースにできなかったいくつかの理由があって。
(いまは)久保選手がいい状況でボールを貰える時間が長い、機会も多いですし。
今まで他のチームにいる時はあまり強くないチームだったのでボールがなかなかまず回ってこない。しかも、自分が一番欲しいタイミングで受けられない。そのなかから何とかしなきゃいけないっていうのが多かったんですけど。
今はチームで信頼を得ているし、チームでエース級のプレーばかりなので、久保選手にいかにいい状態でボールを渡すかってことにチームがフォーカスしているので。
そうなると彼は自分自身のやるべきことにフォーカスできるじゃないですか。そうなるとミスも少なくなるし、選択肢も多くなるので。(その分)アシストも増えるでしょうし、このあとも。
(技術と思考はつながっている)何度どう考えても、思考が技術に与える影響ってものすごく大きくて。一番大きいのは感情が入ること。
感情が入ることによって技術のクオリティが落ちてしまう。シュートを決めたいと思って力んでしまったりとか。ちょっと速くしたいと思って焦ってしまったりとか。
それでフォームも…ほんの少しのことで崩れてしまんですよね。だから、難しい。
(サッカーというスポーツは)片足立ちだったりとか、その瞬間瞬間に判断が伴うプレーなので。判断が伴いながら技術を発揮しなければいけないっていうところで、思考と技術が双璧。
(木崎伸也さんが、久保のCKやFKがうまくなった理由は言えない話でしたっけと聞くと)
言えない話ではないんですけど、長年ずっと僕が彼に伝えてきた軸足抜き・蹴り足着地っていう蹴り方で蹴っていたんですけど。
ただ、どうしても気持ちが入ってしまったり、さっき言ったように焦りや力みがあるとフォームがほんの少し崩れるんですよね。それを崩さない体の動きを身につけられたからだと思います。
ここ1年くらいだと思うんですけど、今年入ってからくらいですかね、かなり変わってきたなと僕も見ていて如実に分かるくらい。
シュートやセットプレーのキックのクオリティっていうのは…(セットプレーは)止まったところからスタートするので、ある意味ゼロイチじゃないですか。だから、あまり他の影響を受けないので。
相当コーナーキックとかのボールも質が高くなったと思うんですよね。ソシエダでもめちゃめちゃいいボール蹴ってるんですよね。
以前に比べると格段に精度もスピードも上がってるので。それはもう体の使い方です、言ったら。特にお尻の部分ですね。
股関節とかお尻の部分の使い方がすごいよくなったので、それでよくなりましたと僕は思います見ていて。
久保は思考と技術がうまくつながり、臀部などの使い方も上達したとのこと。
なお、軸足抜き・蹴り足着地というのは、「ボールを蹴ったと同時に軸足の力を抜き、ジャンプして蹴り足で着地する」というものだそう。