元寇の沈没船3隻目発見か、長崎 18メートル海底で構造物

長崎県松浦市の鷹島沖の海底から出土した、元寇の沈没船の一部とみられる構造物=20日(同市教育委員会提供)

 長崎県松浦市教育委員会は23日、同市・鷹島沖の海底で鎌倉時代の元寇の沈没船の一部とみられる構造物を見つけたと発表した。今月14日から調査していた。沖合約150メートル、水深約18メートルの海底を1メートル程度掘った場所に埋まっていて、2011、14年に続く3隻目の発見となる見通し。

 市教委は、構造物が船体を形作る「外板材」や内部を仕切る「隔壁」の可能性があるとみて、調べている。詳しい大きさは不明という。周辺では同時に、13世紀後半から14世紀前半の中国製陶磁器とみられるつぼや皿も見つかった。

 調査を主導した池田栄史国学院大教授(考古学)は「重要な分析対象がまた一つ増えた。元軍がどれほどの規模で攻めてきたのかを実物で解明していきたい」と話した。

 今回の発掘調査は、奈良文化財研究所(奈良市)から受託した水中遺跡の保存・発掘技術の普及に向けた事業の一環で、神奈川県と鹿児島県の学芸員らも参加。事前の音波探査で特異な反応があり、底を棒で突いた際も手応えがあった場所を重点的に発掘したという。

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