“保税蔵置場”の許可証が百貨店に 超高額な輸入品を「外国貨物」状態で展示 売れたら消費税が発生

10月23日、松坂屋名古屋店に東海地方の百貨店として初めて「保税蔵置場(ほぜいぞうちじょう)」の許可証が交付されました。

聞きなれない言葉ですが、私たち消費者にどんなメリットがあるのでしょうか?

80万円超えのブレスレットに、130万円のネックレス…さらに。

(平野菫記者)
「こちらの指輪、すごくきれいな輝きですね。ちなみにおいくらなんでしょう?」
(松坂屋名古屋店 営業推進部 原口渚沙さん)
「2750万円のお品物となっております」
(平野記者)
「2750万円!? ちょっとお返しします…手が震えてきました」

百貨店業界がいま、こぞって力を入れているのが「富裕層」へのアプローチです。

松坂屋名古屋店では2年前から段階的に、ラグジュアリーフロアの改装を進めています。

(松坂屋名古屋店 営業推進部 原口渚沙さん)
「コロナ禍でお客さまのお金の使い道が変わった。宝飾品にお金をかける方がとても増えている」

そんな中、富裕層の顧客獲得へ追い風になるのが…

(名古屋税関の担当者)
「『保税蔵置場』許可証交付式を執り行います」

23日、松坂屋名古屋店に交付されたのは「保税蔵置場」の許可証。

例えば10億円の宝石類を輸入する場合、日本に到着した際に輸入業者がおよそ1億円の消費税を支払わなければなりません。

しかし、保税蔵置場では「外国貨物」の状態のまま商品を展示。

売れた際に初めて消費税が発生し、売れなかった場合は海外に返品すれば支払う必要はありません。

つまり、売り手側としては国内で出回ることの少ない「超高額」な商品をリスクなしで展示できるようになります。

(松坂屋名古屋店 営業推進部 原口渚沙さん)
「超高額品が売れる傾向にある。時計でも数百万円より数千万円の方が売れる傾向にある」

私たち消費者としては、購入できるかどうかは別にして、珍しい超高額の商品にお目にかかれるチャンスが増えることに。

(松坂屋名古屋店 営業推進部 西川善大さん)
「日頃、手に入らない、見ることのできない海外の一品モノ、それが結果的には高額になるが、そういうものを展開していきたい」

百貨店として保税蔵置場の許可を得るのは全国2例目。

名古屋税関も特別な美術品などが展示されることで、経済の活性化につながるのではと期待を寄せています。

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