袴田さんの再審 姉・ひで子さんが支援者らに無罪を訴える 「再審公判の流れとポイント」を若狭弁護士が解説

袴田巌さんの再審裁判のやり直しは、初公判が間近に迫り、21日に姉・ひで子さんが支援者らに巌さんの無罪を訴えました。

(袴田ひで子さん)

「57年闘ってきた裁判が終わることがとても嬉しい。これで一区切りつくと思う。巌は絶対に無罪だと思う」

57年前に、旧清水市で一家4人を殺害したなどとして死刑が確定した袴田巌さんの再審裁判は、10月27日から始まります。

21日に静岡県浜松市で開かれた支援者集会では、姉のひで子さんが、裁判への意気込みと、支援者への感謝の言葉を述べ、弁護団が裁判の進み方のほか、検察側の立証方針などについて説明しました。

初公判が迫る中ひで子さんは…

(袴田ひで子さん)

「気持ちは平常心です。無実だから(裁判で)無罪になって当たり前だと思っている。(捜査機関の)証拠ねつ造をはっきりさせてほしい」

再審公判は2024年年3月に結審する予定です。

<再審はどのように進む?若狭弁護士が解説>

(徳増アナウンサー)

ここからは元検察官の若狭弁護士に伺います。

いよいよ今週の金曜日に迫った袴田さんの再審初公判ですが、裁判はこのように進んでいきます。「冒頭手続」「証拠調べ手続」「弁論手続」と審理が進んでいき、審理が終結すると、判決が出されます。これは通常の刑事裁判と同じでしょうか?

(若狭弁護士解説)

「通常の一審の裁判と同じです」

(徳増アナウンサー)

この中で、初公判では冒頭手続きと証拠調べ手続きが行われるということなんですが、この冒頭手続きでは、このようなことを行います。

人定質問と起訴状の朗読、罪状の認否を確認ということですが、まず人定質問と罪状認否については、袴田さんが裁判にでるかどうかが決まっていないため、どのようなかたちになるか未定です。

起訴状の朗読ですが、これはどのような内容になるのでしょうか?

(若狭弁護士解説)

「事件後に静岡地裁で開かれた初公判と同じ、最初に検察官が朗読した起訴状が、今回も同じような内容で朗読されるということになります」

(徳増アナウンサー)

冒頭手続きの次に行われる「証拠調べ」。これは、どのようなことが行われるんでしょうか。

(若狭弁護士解説)

「今回の裁判で一番の肝になるところ。弁護人と検察官がそれぞれ、主張をたたかわせる、証拠を出し合う。検察は有罪を立証する証拠を出す方針」

(徳増アナウンサー)

裁判所は3月下旬に結審審理の終結を目指しているということです。予定通りですと判決が出るのはいつ頃になるんでしょうか?

(若狭弁護士解説)

「2024年7月前後に判決が出るのではないかとみています」

© 株式会社静岡第一テレビ