アメリカでの調査結果〜愛犬の肥満が飼い主にもたらす葛藤

愛犬の体重増加が飼い主の心に与える影響を調査

10月11日は「全米ペット肥満啓発デー」とされており、この日にちなんで犬の肥満について調査した結果が発表されました。

調査を行なったのはペットフードメーカー大手のピュリナ・プロプランで、アメリカ国内の600人以上の犬の飼い主がアンケートに回答しました。

この調査では愛犬の体重増加と飼い主の心理について焦点が当てられ、犬の体重過多の原因になる感情的および身体的な要因の両方が浮かび上がりました。

太り過ぎている犬の飼い主さんの心理

アメリカペット肥満予防協会によると、アメリカ国内で健診を受けた犬の59%が体重過多(37%)または肥満(22%)で、太り過ぎの犬の数は過去最高を記録しているとのことです。

しかし同協会の調査では、実際に「愛犬は太りすぎている」と考えている飼い主さんは約20%で、認識のズレも問題のひとつとなっています。

今回のピュリナ・プロプランによるアンケート調査に参加した犬の飼い主さんたちは、「愛犬は太り過ぎである」と回答した人たちです。

愛犬の体重コントロールは自分自身のダイエットと同様に、「わかってはいるけれど難しい」という心理的な問題が以下のように回答に表れていました。

  • 愛犬が空腹に見えると罪悪感を感じる 75%
  • 愛犬の幸せの源は食べ物である 67%
  • おやつを与えることで愛犬との絆が深まり、それを失いたくない 67%
  • 愛犬がおねだりするとつい食べ物を与えてしまう 54%

犬の生活の質について飼い主さんの葛藤

上記のように、愛犬に食べ物を与えることが飼い主さん自身の喜びと愛情表現になっていることが伺えます。その一方で、回答者のうち88%は愛犬の太り過ぎについて心配しており、92%は体重を減らすことは犬に利益をもたらすと回答しています。

飼い主さんたちがそのように考える理由は、愛犬の行動の変化にあるようです。以下のような回答は、体重過多が犬の行動にもたらした変化を表しています。

  • 愛犬が理想体重の時に楽しんでいた活動ができなくなって悲しい 92%
  • 愛犬が遊ぶ時の活動レベルが落ちた 45%
  • 愛犬は最小限の活動でもすぐに疲れてしまう 44%
  • 愛犬は家族との関わり合いや遊びの時間が減った 27%

この結果は太り過ぎている犬の飼い主さんが、愛犬の生活の質について葛藤を感じていることを示しています。増えた体重のために犬が望む活動ができないことは悲しいが、食べ物の量を減らすと犬が不幸になるのではないかと心配しています。

回答者の多くは犬の体重を減らすために、「現在与えているフードの量を減らす」「おやつを減らす」「運動を増やす」などの方法を試みたと答えていますが、結果は限定的だったようです。

回答に見られるような犬の活動レベルや活動時間の低下は、太り過ぎが犬の健康にすでに悪影響を及ぼしていることを示しています。

まとめ

愛犬は太り過ぎていると認識している飼い主さんへのアンケートから、犬に食べ物を与えることは愛情表現であるが、愛犬の健康や活動に悪い影響が出ることは悲しいという、心理的な葛藤が見えてきたというアメリカでの調査結果をご紹介しました。

調査を行なったのがペット療法食のブランドなので、対策として体重減少のために設計されたフードが勧められています。確かに食べる量や栄養価を減らさずに摂取カロリーを抑えることは、犬と飼い主さん両方のニーズに合っていると言えそうです。

どのような方法を取るかはさておき、過去の研究でも犬が生涯にわたって理想的なボディコンディションを保つことは、健康寿命を大幅に伸ばすことが示されています。愛犬の体重管理は飼い主の大切な任務として認識しておきたいですね。

《参考URL》
https://www.prnewswire.com/news-releases/new-survey-reveals-the-weighty-impact-of-excess-weight-for-dogs--and-their-owners-301953049.html

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