弾道ミサイル飛来を想定 五島市で国民保護訓練 福江中で避難手順を確認 長崎県内の学校初

窓やカーテンを閉め、机の下に身を隠す生徒ら=五島市立福江中

 長崎県は23日、弾道ミサイル飛来を想定した国民保護共同訓練を五島市内で実施。市立福江中(428人)の生徒が避難手順を確認した。県によると、県内学校での国民保護訓練は初めて。北朝鮮によるミサイル発射が相次ぐ中、実践的な訓練に臨んだ。
 県は2005年以降、武力攻撃やテロなどに備えた同訓練を各市町と実施。他国の弾道ミサイル攻撃を想定した訓練は17年の雲仙市に続く2例目で、離島では初めて。県基地対策・国民保護課は「有事はどのような状況でも起こり得る。備える意識を生徒も含め市民に持ってほしい」とした。
 国や市、警察、消防、自衛隊など15機関の計約510人が参加した。
 福江中では授業中、全国瞬時警報システム(Jアラート)が鳴り、運動場にいた生徒は体育館へ避難。教室の生徒は窓とカーテンを閉め、机の下に身を隠した。終了後、全校生徒が集まり、生徒会長の中村勇之輔さん(15)は「どのように行動するか普段からの備えの大切さを実感した」と感想。内閣官房の担当者は「(登下校時など)屋外にいる場合は近くの建物へ避難を」と呼びかけた。
 福江文化会館では、付近住民約40人が職員の誘導でホール内に逃げ込み、身を守る姿勢を取った。視察した大石賢吾知事は「離島が多い県として、島外避難が必要な場合など、国とも協議しながら県民の命を守る取り組みを検討したい」と述べた。

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