コロナ無料検査、9事業者が4億1400万円不正受給 兵庫県、業者名公表し返還請求

兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 新型コロナウイルスの無料検査事業を巡り、受託業者が検査件数を水増しするなどして補助金を不正に申請する事案が全国で発覚している問題で、兵庫県は24日、県内23検査場を運営した9事業者で不正な申請があったと発表した。25日付で交付決定を取り消すとともに、計4億1400万円の返還を求める。

 県は2021年12月~23年3月、416カ所の無料検査場を開設。県内外の110事業者が約93万件の検査を行い、総事業費は約74億円だった。

 今年6月、大阪府で不正申請が発覚したことから県が全事業者に対して抽出調査した結果、水増し請求や、登録した場所以外で検査する「場外検査」が発覚した。県は9事業者に計10億6904万円の補助金を交付していたが、不正が確認された期間は交付決定を取り消す。

 県は水増しと場外の両方があった4事業者について、悪質性が高いとして名前を公表。返還請求額は、芙蓉会ハートフルクリニック(神戸市中央区)=1億1005万円▽JOHメディカルプランニング(加古川市)=8072万円▽関西メディカルラボ(尼崎市)=7947万円▽FRONTLINE(大阪市)=4722万円-だった。

 芙蓉会は神戸、姫路市などで14検査場を運営。県によると「書類の整理が悪かった」などと説明しているという。それ以外の3事業者は尼崎市でそれぞれ1検査場を運営した。その他、場外検査のみが確認された5事業者に対しても計9609万円を返還請求する。

 県感染症対策課は返還期限を2週間とした上で、対応がない場合は刑事告訴も検討するという。(金 慶順)

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