値段が高い卵や小麦を減らしたら… ことしの年末は“和菓子のクリスマスケーキ”はいかが?

クリスマスまでことしもあと2か月…クリスマスに欠かせないのがケーキですが、名古屋のデパートではちょっと驚いてしまうようなケーキが登場しました。

ことし8月、名古屋市内で行われていたのは、JR名古屋タカシマヤのクリスマスケーキのカタログ撮影。

カメラの先にある、こちらのケーキ…ピンク色もあざやかなクリームたっぷりのケーキですが、実は驚きの秘密が。

(ジェイアール名古屋タカシマヤ 千本泰弘さん)
「こちらがことしのクリスマスケーキカタログに初めて載る『和菓子のクリスマスケーキ』になります」

このケーキ、実は「和菓子」…クリームに見えるところの原料は山芋、雪だるまは白あんでできています。

(徳田早穂記者)
「それではいただきたいと思います」
「お芋のなめらかな舌触りとお芋本来の甘みが感じられます。甘すぎないのでこれいくらでも食べられます」

甘さひかえめの和菓子のクリスマスケーキ。

しかし、一体なぜ和菓子のクリスマスケーキを販売することにしたのでしょうか。

(ジェイアール名古屋タカシマヤ 千本泰弘さん)
「ずっと続いている原材料高騰による価格高騰で、洋菓子のクリスマスケーキがどこまでいけるかという不安を持っている。生ケーキだけでなく、焼き菓子などいろいろなバリエーションを増やしていこうと考えている中で、和菓子の可能性を見いだして、今回和菓子のクリスマスケーキを作ろうと思った」*

開発の要因となったのは、ケーキに欠かせない卵や乳製品などの価格上昇。

こちらの和菓子のケーキは卵や小麦の使用量を大きく減らせるほか、バターなどの乳製品は一切使われていません。

このケーキを作ったのは、愛知県半田市の松華堂(しょうかどう)。

今回、和菓子のケーキ作りを特別に見せてもらいました。

ケーキの土台となるのは餡に卵や砂糖、小麦粉などを加えて蒸した「浮島(うきしま)」という和菓子。

このまわりに溶かしたようかんを塗り、裏ごしした山芋に砂糖を加えた薯蕷練切(じょうよねりきり)という和菓子を巻きつけます。

次に、薯蕷練切をふるいで細かくし、雪に見立てて土台の上に置いていきます。

続いて、ピンク色に着色した薯蕷練切をクリームのようにしぼりデコレーション。

きんとんで作ったクリスマスツリーに、白あんで作った雪だるまやサンタ帽を乗せ、最後にようかんで作ったプレートを乗せて完成です。

(松花堂 内田雄介さん)
「洋菓子だと華やかなイメージがあるが、食感やアレルギーの問題など和菓子ならではの雰囲気を表現したい」
(ジェイアール名古屋タカシマヤ 千本泰弘さん)
「和菓子というと季節や暦を大切にする風土があるため、いろいろな意味でクリスマスを楽しむ商品の考え方や楽しみ方が広がると良いなと思っている」

JR名古屋タカシマヤが販売する和菓子のクリスマスケーキは30個の限定販売。

10月30日からオンラインで、また、11月1日からは店頭でも予約を受け付けるということです。

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