急増!ごみ処理施設で “電池火災” 原因はリチウムイオン? 「正しく分別を」自治体が注意を呼びかけ(静岡県)

スマートフォンや小型家電などに使用されているリチウムイオン電池が原因とみられる火災が、静岡県内のごみ処理施設などで相次いでいます。処分の方法を誤ると火災が起きる可能性があり、自治体などが注意を呼び掛けています。

充電式電池に使用される「リチウムイオン電池」は、電圧が高いため、携帯電話やパソコンなどに使用されるなど、生活になくてはならない物です。しかし、電気の容量が少なくなったからと言って安易に捨ててしまうと、大きな事故につながる可能性があります。

ごみ処理施設で粉砕処理をしている場面。ローターの中に電池が入ると…押しつぶされた電池から火柱が上がっているのがわかります。さらに、ごみ収集車に電池が入っていた場合です。電池に圧力が加わると、次第に電池から煙が立ち始め、少し時間が経過すると…発火してしまいました。県内でもこのような現象で、実際に火災が発生してしまったごみ処理施設があります。

湖西市にある「湖西市環境センター」。この施設では、2023年5月、粉砕した不燃ごみを運ぶベルトコンベヤー付近から火が出て、消火活動をしていた職員2人が煙を吸い病院に運ばれました。

(湖西市 廃棄物対策課 石田 千博 課長)

「こちらが火災が起こった現場になります、火災当時は、火が筒の中を通って上の方まで燃え広がった」

現場には焼けたリチウムイオン電池の残骸が見つかりました。火災から5か月以上たった今も、不燃ごみの処理が出来ない状態で、影響が長引いています。

(湖西市 廃棄物対策課 石田 千博 課長)

「市内から集められたごみの中に、充電式の電池が含まれていたと思われます、その電池がこの施設まで来てしまって、発火したかたちになります」

DaiichiーTVが各市町のごみ処理施設に確認をしたところ、2021年から2023年にかけて、三島市・富士宮市・袋井市・掛川市・湖西市の5カ所のごみ処理施設でボヤを含めた火災が発生していることがわかりました。このうち、リチウムイオン電池が原因とみられる火災は、湖西市の他に掛川市と菊川市のごみ処理施設「環境資源ギャラリー」でも起きていました。湖西市の担当者は、処理施設だけでなくごみを収集する際にも危険が及んでいると話します。

(湖西市 廃棄物対策課 石田 千博 課長)

「市内の収集場所からごみを集める収集車でも、電池が原因の火災が起こることが、年間数件あるので、ごみを出すときに(電池を)入れないようお願いしたい」

湖西市の担当者は、電池を捨てる際は「住んでいる自治体に処分方法を確認をしてほしい」話しています。湖西市では市の回収ボックスや、電気店などにあるリサイクルボックスに捨てるよう呼び掛けています。

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