施政報告は経済に注力し民生を改善

李家超・行政長官は10月25日、任期中2回目となる施政報告(施政方針演説)を発表する。23日付香港各紙によると、今年の施政報告は「経済発展に努め、民生に利益をもたらし、幸福を増進する」をテーマに昨年に引き続き緑色の表紙が使用される。 過去数週間にわたり、さまざまな政策分野でニュースが次々と発表されているが、最も話題となっている不動産市場の過熱抑制措置の緩和も含まれる。 もう一つの焦点は少子化対策で、政府は2万ドルの出産補助金の支給や託児支援策の強化など、一連の出産奨励策を実施する。

李長官は22日、ソーシャルネットワークに動画を投稿し、過去3カ月間に自身と対策チームが40回以上の協議会を開き、さまざまな地区を訪問して市民の意見を聞いたと述べた。 具体的な施策の立案に役立てるため、そして「すべての市民のものとなるこの施政報告を作成する」ために、社会のあらゆる部門からの意見や提案に感謝の意を表した。施政報告には不動産市場の過熱抑制策の緩和、香港株式市場の活性化、出産奨励、ボーダーを越えた高齢者ケアなどの措置が盛り込まれる。 中でも10年以上にわたって実施されてきた注目の不動産市場政策は、過熱抑制策を段階的に縮小すると提案されている。その範囲は外界が要求するほど大きくない可能性があり、完全に撤回されることはない。政界は非地元購入者に対する印紙税(BSD)が、資格を持つ域外人材による香港の不動産購入を支援するために緩和されると予測しており、香港人も2軒目の住宅を購入する際に印紙税を軽減できる可能性がある。

株式市場に関しては、ここ2年間のパフォーマンスが低迷しており、政府は8月に香港証券先物事務監察委員会(SFC)の唐家成・元主席を委員長とする「株式市場の流動性促進に関するタスクフォース」を設置した。株式市場の流動性に影響を与える要因を総合的に検討し、すでに行政長官に改善提案を提出している。施政報告では、実現の可能性が高い株式印紙税引き下げなどタスクフォースの提言が紹介されるほか、市場開放に向けた準備も説明される予定だ。

もう一つの焦点は少子化対策。香港の出生率は世界最下層にあり、労働力の減少と相まって出生率の向上が喫緊の課題となっている。 施政報告では新生児1人当たり2万ドルの補助金の検討や子女の税免除額の増額など、出産奨励のための一連の措置を提案する。香港では子育てにかかる費用が高いため、政府は保育サービスや就学前保育サービスの強化、補助金の増額など支援策の強化に力を入れる。一方、女性の「冷凍卵子」への補助金や保管期間を延長する法改正については、今回の施政報告に盛り込まれないもようだ。

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