再審開始まで「あと3日」 診断した医師「袴田巖さんの出廷は難しい」 支援団体は有罪立証の方針撤回求め要望活動=静岡

10月27日の再審初公判を前に、袴田巖さんの支援団体が要望活動をしました。

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裁判では袴田さんの出廷が免除されるかどうかが注目されますが、診断した医師は法廷に立つことは厳しいと指摘します。

24日午前、静岡地検を訪れたのは、袴田巖さんの支援者です。

支援者は検察による有罪立証の方針を撤回するよう求める要請書と760筆の署名を提出しました。

<浜松袴田巖さんを救う市民の会 寺澤暢紘さん>
「公判直前ですけど、検察は有罪立証の断念し、無罪立証をすべきだと、検察、警察が責任を果たし謝罪を行うことを申し入れた」

いわゆる袴田事件は、今から57年前、旧清水市でみそ製造会社の一家4人が殺害されたもので、袴田巖さんが逮捕され、死刑判決が確定しました。

東京高裁は2023年3月、再審の開始を認めていて、10月27日、静岡地裁で再審初公判が開かれます。

裁判では被告人となる袴田さんですが、長年拘置されたことで精神的に不安定な状況が続き、弁護団は袴田さんの出廷免除を求めています。

2023年4月、袴田さんと面会し、精神状態を診断した医師は、袴田さんが法廷に立つことは難しいといいます。

<多摩あおば病院 中島直院長>
「ちょっと前まで死刑囚であって、死刑の恐怖に非常に強い不安、恐怖を覚えていて、感情を遠ざけることで自分の身や心を安静にしてきたところがある。(今年4月の面会時)袴田さんは、裁判なんてものは終わったと言っていた」

刑事訴訟法では再審について、「回復の見込みがない心神喪失者」の場合は、本人が出廷しなくても審理できると定めています。

再審を担当する静岡地裁の國井恒志裁判長は9月29日、袴田さんと面会。

袴田さんが2014年の釈放後に書いたノート2冊分の文章や、東京高裁の裁判長と面談した際の記録などをふまえ、出廷免除の可否を近く判断します。

袴田さんの再審は10月27日に初公判が開かれ、年内は証拠調べなどが予定されていて、年明けからは証人尋問が続く見込みです。

裁判所は2023年度中に審理を終えたいとしていて、弁護団は早ければ2024年6月には判決を迎えるとみています。

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