ジャック・ブルースがクリームの名曲のベースを披露する動画公開

Jack Bruce - Photo: Eamonn McCabe/Popperfoto via Getty Images

ジャック・ブルース(Jack Bruce)がクリーム(Cream)の名曲「Politician」の印象的なベース・パートを披露する1998年発売のDVDからの演奏動画が、彼の公式YouTubeチャンネルで公開された。

<YouTube: Jack Bruce - Politician Tutorial (The Cream of Cream DVD, 1998)>

この動画の中で、ジャック・ブルースは、クリームの3作目のアルバムである1968年の『Wheels of Fire』のために彼がピート・ブラウンと共作したクラシック・ロック・ナンバー「Politician」のベースラインとヴォーカルを再現している。

1997年にリリースされたクリームの回顧録的ボックス・セット『Those Were The Days』に詳細が記載されている通り、彼らは「Politician」をBBCラジオのライヴ・セッションで初披露した。ピート・ブラウンがジャックに歌詞を提供した後、ジャックはそのブルージーな感触を拾得し、それからエリック・クラプトンとのジャム・セッションの中でそのフレーズを生み出していった。

ジャック・ブルースは以降もこの曲に何度か立ち戻り、1974年のウェスト、ブルース&レイングの『Live ‘n’ Kickin’』や1994年のジャックの『Cities of the Heart』にライヴ音源が収録されている他、2009年のDVD『Seven Moons Live』にはロビン・トロワーとの共演映像が収められている。

「Politician」は、後の著名なロック・ミュージシャンたちにも影響を与え、パット・トラヴァース、マイケル・シェンカー、ハートのアン・ウィルソン、KISSのエース・フレーリーのほか、ロス・ロボスやガヴァメント・ミュールのライヴ・アルバムなどでもカバーされている。

今回公開された動画は、1998年にリットーミュージックからリリースされたドキュメント的教則DVD『The Cream of Cream』に収録されているもので、他にも「Sunshine of Your Love」や「White Room」といった往年のクリームの名曲を再演し、当時のエピソードを交えながら自らの奏法の解説するこの映像の中で、彼は自身の初期の野望について次のように説明している。

「ジャズのアコースティック・ベーシストになりたかったんだ。スコット・ラファロやチャールズ・ミンガスみたいな人たちがアイドルだった。最初に(エレクトリック・)ベースギターを弾いたとき、私は本当に純粋主義者で、気が進まなかった。でも、西インド諸島(ジャマイカ)出身の非常に優れたジャズ・ギタリストであるアーネスト・ラングリンから彼とセッションの依頼があって、ベースギターを指定されたので、それを楽器屋から借りてみたら、音がすごく大きくて、弾きやすくてすぐに気に入ったんだ。それからはあまりストリング・ベースを弾かなくなったね」

Written By Paul Sexton

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