石油需要30年までにピーク IEA予測、OPECと違い鮮明

米テキサス州で稼働する原油などの採掘設備=2022年4月(AP=共同)

 【ロンドン共同】国際エネルギー機関(IEA)は24日、2023年版の「世界エネルギー展望」を公表した。電気自動車(EV)の普及や再生可能エネルギーの導入が進むことで、世界の石油需要が「30年より前にピークを迎える」との見通しを示した。世界需要の伸びをけん引してきた中国で脱炭素化の動きが加速していることも踏まえた。

 主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は、45年の石油需要が22年比で約16%増えるとの予想を9日に公表している。石油産業への投資継続を訴える産油国の主張を支える内容で、IEAとの予測の違いが鮮明になった。

 IEAによると、各国が脱炭素化に向けた表明済みの政策を実行するシナリオでは、石油需要は28年の日量約1億200万バレルをピークに減少するとした。ただ急激な需要減は見込まず、50年でも9700万バレル程度にとどまるとみる。原油価格は30年に1バレル=82ドル、50年に80ドルと現在とほぼ同水準になるという。

© 一般社団法人共同通信社