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加賀市の橋立漁港で9月、岸壁から海に転落した釣り人の男性を通り掛かった電気工事会社の社員2人が救助した。溺れないよう枝にしがみついていた男性を助けたのは、工事用に携帯していたテレビケーブル。父親の転落を不安そうに子どもが見守る中、協力して引き上げた。「大事になる前に救出できてよかった」と胸をなで下ろす2人に、大聖寺署が26日、感謝状を贈る。
男性を救助したのは、北陸エレテック(加賀市箱宮町)の川端優斗さん(28)=小松市今江町=と早水寿哉さん(20)=同市安宅町。9月9日午前11時ごろ、工事を終えて漁港近くを運転していた川端さんが、親子で岸壁を歩いていた男性が踏み外して転落する場面を目撃した。
すぐに車を止めて現場に向かった川端さん。海に落ちた男性が岸から伸びた枝にしがみつき、岸壁から2メートルほど下にある海面に浮いているのを確認すると、別の車両で同行していた早水さんに110番通報を促した。
最初は配線工事で活用する棒状の「ケーブルキャッチャー」(長さ8メートル)を伸ばしたものの男性には届かなかった。同社では加賀ケーブルの設備工事なども請け負っているため、車に積んであったテレビ用ケーブルを使うことにし、ケーブルを投げ入れ、釣りに来ていた別の男性2人とも連携して浅瀬まで引き上げた。
川端さんによると、男性は泳げなかったそうで、けがなく救助され、その日に会社を訪ねて感謝を伝えたという。
●「自然に体動いた」「無事でよかった」
川端さんは「ぼうぜんとする子どもの姿を見て『何としても救い出すぞ』と自然に体が動いた」と振り返り、早水さんは「できることをしようと思った。当時は潮の流れも速く、男性が無事でよかった」と話した。