ぐらぐら揺れたら「だんごむしのポーズ」大学生から高校生そして園児へ 遊びながら楽しく防災を伝える=静岡【わたしの防災】

防災の文字をアルファベットで書くと「BOSAI」。並び変えると…「ASOBI(あそび)」になります。

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静岡大学の学生たちが、遊びながら楽しく防災について伝えようと、独自に取り組んでいます。

<高校生>
「どうやって自分の安全を守るのか紙芝居を読んでいきます、みんなも一緒に真似してポーズがあるからやってみて」

<園児>「はい!」

静岡市駿河区の幼稚園で10月10日に行なわれた高校生による防災の出前授業。

<高校生>
「その時です。ぐらぐらぐら、突然、地面が大きく揺れ始めました」

読み聞かせているのは、地震をテーマにした紙芝居です。

<高校生>
「こんな時は?やってみて!」
「だんごむし!」
「頭を守って!」

地震の時に頭を守る「だんごむしのポーズ」を伝えます。

高校生が主体となり防災の知識を伝える「BOSAIユースアンバサダー」の活動です。

<園児>
「楽しかった」
「面白かった」
Q.揺れがきたらどういうポーズ?
「だんごむしポーズ」

<駿河総合高校1年 望月花さん>
「なんでも反応してくれたのが凄い楽しかった」

幼稚園での出前授業を終えた後、高校生たちは、静岡大学の学生たちと意見を交わしました。

<静岡大学教育学部 村山大介さん>
「防災に対しての意識や考えが変わったところはあった?」

<高校生>
「危険意識は持たせた方がいいのかなと思っていたけど、自分の身を守ること、怖がらせないことが園児たちにとっては大切なのかなと分かった」

「BOSAIユースアンバサダー」は静岡大学独自の取り組みで、大学生が高校生に防災の知識を教え、さらに高校生が園児に伝えていく流れです。

未来の防災の担い手を育てることを目指します。

2019年から始まり、これまで静岡県内7つの高校で静大生が防災学習をサポートしてきました。

<静岡大学教育学部 大塚萌香さん>
「高校1年生の段階で防災教育について学んで、実践して、新たな学習を得られるという時期に、私も大学生として携われているのはうれしい」

<静岡大学教育学部 藤井基貴准教授>
「これで終わりではなく、こここうすれば良かった、これはなんだろうという疑問が浮かんだと思う、それを大事にしてほしい」

考案した藤井准教授の研究室です。

これまで防災教材の開発や普及を行う中で、新たな課題に直面したといいます。

<静岡大学教育学部 藤井基貴准教授>
「どうやって使うかを教える必要があるということで『伝える防災』が1つ新しい課題になり、始まった」

そこで、大学生から高校生に高校生から園児に、という「BOSAIユースアンバサダー」の試みが始まりました。

研究室では、「考える」「脅さない」「伝える」の3つを柱に、地域の防災リーダーになれる人材を増やすことを目指しています。

<静岡大学教育学部 村山大介さん>
「静岡県はいろいろな災害のリスクがあるので、地域と子どもたち、周りの大人が一体になって考えていけるような仕組みになれば」

大学生や高校生が防災の先生になり、楽しみながら伝えることで子どもたちの自ら行動する力を育んでいきます。

<静岡大学 藤井基貴准教授>
「楽しみながら学べる、伝えやすいことしか伝わらないと思う。全員で災害のリスクを共有する。能動的にアクションにつなげられることが目指すべきところ」

藤井准教授によると、大学生や高校生も「誰かに伝える」ことで防災の理解が深まり、よい学びの循環が生まれているということです。

このBOSAIユースアンバサダーの取り組みは、静岡県内だけではなく、愛知県の高校でも行なわれ、各地に広がっています。

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