東京の国立代々木競技場で8日まで行われたバレーボール男子のパリ五輪予選で、2008年北京大会以来となる自力予選突破を決めた日本代表で活躍した高橋健太郎(東レ・米沢中央高出)が24日、山形新聞のインタビューに応じた。高橋は日本の五輪出場決定の喜びと今後への意気込みを語った。以下は一問一答。
―パリ五輪出場を決めた予選を振り返って。
「過密日程の疲労や大きなプレッシャーがある中での戦いだった。五輪出場を決めた時は安心感が大きく、自分が一員として貢献できたことが自信になった」
―印象に残る試合は。
「初戦のフィンランド戦に途中出場しチームのリズムを崩してしまった。先発した第3戦のチュニジア戦では、ブロックがうまく決まり、リズムをつくれた。もともとブロックに自信はあったが、高いレベルで実際に活躍できたことに手応えを感じた」
―21年の東京五輪では代表から落選した。
「高校3年の時に東京開催が決まり、ずっと目標にしてきた。ひどく落胆し、目指すものが全てなくなった感覚だった。応援してくれていた地元に申し訳なく、しばらく山形に帰れない時期もあった」
―そこから東レで2季連続のブロック賞を獲得するなど一段とレベルアップした。
「妻や子どもなど家族、東レのチーム関係者たちをはじめ周囲の支えで立ち直った。五輪も何も関係なく、バレーを楽しむことに立ち返り、応援してくれる人が多くいる恵まれた環境に気が付いた」
―次のパリこそ五輪代表にという思いは強いのか。
「今の目標は自分の可能性を全て引き出し、技術を後進の選手に伝えていくこと。五輪を経験することが最善の道だと思うし、出場したいという思いは当然強い。だが、それが全てではないという落ち着いた気持ちもある」
―今季Vリーグの目標は。
「昨季は5位で、4位まで進出できるファイナルラウンドを逃した。今年こそリーグ戦で上位、優勝を目指す」
―山形のファンに向けて。
「これからも成長する姿を見せ、明るい話題を届けていきたい。いつか山形で試合を開催してもらい、自分の試合を生で観戦してほしい。帰省時にもし姿を見かけたら、声をかけてくれたらうれしい」
【プロフィル】 たかはし・けんたろう ミドルブロッカー。米沢中央高3年時の2012年にアジアユース選手権の日本代表入りし、銅メダル獲得に貢献。Vリーグ男子1部・東レに所属し主力として活躍。昨季まで2季連続でブロック賞を獲得した。川西町出身。28歳。