全国のお茶の間に兵庫・香美町の名を 大相撲九州場所に懸賞旗 ふるさと納税、結びの一番で㏚へ

2009年夏場所に登場した多くの懸賞旗(同年5月撮影)

 兵庫県香美町は、大相撲九州場所(11月12~26日・福岡国際センター)の全日程の結びの一番で、ふるさと納税をPRする懸賞旗を出す。ふるさと納税の熱が高まる年末にかけて、全国のお茶の間に香美町の名を宣伝する狙いだ。(長谷部崇)

 同町は近年、ふるさと納税に力を入れており、昨年度の寄付額は、過去最高の約8億9800万円を記録した。返礼品の1番人気は香住ガニ(ベニズワイガニ)。本年度も10月からの経費と返礼品のルール厳格化を前にした駆け込みが殺到し、9月末までに2020年度や21年度の1年分をすでに超える約5億2800万円(前年同期比4.9倍)が寄せられている。

 懸賞旗を出すアイデアは、ふるさと納税推進室の北村浩史室長(49)が「少しでも中継に映れば全国にPRできる」と思いついた。同町への22年度の寄付は、11、12月に全体の7割が集中。広告も年末に打つのが効果的といい、寄付が少ない九州への浸透を図ろうと、九州場所を選んだ。

 青地に黄色で「兵庫県香美町ふるさと納税」と書いた懸賞旗は横70センチ、縦120センチ。制作費7万円で、懸賞金は15日間で105万円。「兵庫県香美町、ふるさと納税」と場内アナウンスが流れ、取組表にも掲載される。

 自治体による懸賞旗は、照強(てるつよし)の出身地の南あわじ市や、霧島と同じ名前の鹿児島県霧島市などが掲げた例があるが、ふるさと納税のPRで出すのは「たぶん全国初」(香美町調べ)という。

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