広島土砂災害で祖母を亡くした大学生 「正しい知識があれば おばあちゃんは今 一緒に過ごしていたかも…」 母校の高校で体験談語る 広島

広島市にある高校で、防災について考える授業があり、2014年の広島土砂災害で被災した卒業生が体験談を話しました。

防災授業をしたのは、広島市安佐南区にある安古市高校です。卒業生の 澤本陽奈 さんが、全校生徒約900人に講演しました。

9年前、77人が犠牲になった広島土砂災害。澤本さんは、安佐南区緑井にある実家が全壊し、一緒に住んでいた祖母を亡くしました。この経験をきっかけに現在は愛媛大学で地域防災や減災などを専門に学んでいます。

当時、安古市高校の周辺でも土砂災害が発生したほか、生徒も犠牲になりました。
講演会で澤本さんは、災害に備えることの大切さを伝えました。

澤本陽奈 さん
「災害で失う命っていうのは救える命です。失う必要のない命だと思います。正しい知識があれば、おばあちゃんは今も一緒に過ごしていたかもしれないです。みんなにはこのような後悔をしないでほしいなと思います」

生徒たち
「やっぱり逃げることが即決で1番大事みたいな。だから今回の話を聞いて、より一層地域のつながり、それが大事だなって思いました」
「自分が大人になっても子どもができたりしたときに、このことを伝える義務があるなっていうことをちゃんと実感させられた気がします」

澤本陽奈 さん
「すごく真剣に聞いてくださって、質問もたくさんしていただいて、やってよかったなと思えたし話せてよかったなと思います。防災って生活の中の一部の部分だと思うので(大学卒業後は)仕事として直接やるんじゃなくても何か引き続きボランティアだったり、こういう体験を話すっていうことだったりができたらいいなと思います」

安古市高校は、今後も定期的に防災に関する授業を開くとしています。

© 株式会社中国放送