「大変大きな前進 解決できそうな目処が立ってきた」周辺自治体も評価「田代ダム案」協議 大筋でまとまる 制水ゲートで水量を抑える

リニア中央新幹線の工事で、静岡県外に流出した水を大井川に戻す「田代ダム案」について、JR東海と東京電力の協議が大筋でまとまり、周辺自治体からは「大きな一歩」との声が上がっています。

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リニア中央新幹線のトンネル工事に伴い、大井川の水量減少が懸念されている問題で、JR東海が解決策として提示しているのが、大井川上流にある「田代ダム」の取水を抑制して、大井川の水量を確保する案です。

この「田代ダム案」について、JR東海は2023年6月からダムを管理する東京電力との間で続けてきた協議が大筋でまとまったと、10月25日に発表しました。

JR東海が新たに発表した「田代ダム案」の具体的な方法は、大井川取水ダムの制水ゲートを立ち上げることで、田代ダムに流れる水量を抑え、静岡県外に流れた分の水量を大井川に戻す仕組みです。

<島田市 染谷絹代市長>
「たいへん大きな前進です」

田代ダム案が実現可能な方策であるとJR東海が示したことに対し、静岡県島田市の染谷絹代市長は「大きな一歩」と評価しました。

<島田市 染谷絹代市長>
「一歩も譲れないのが下流域の水資源の問題。そういったことが解決できそうな目処が立ってきた。事細かにさまざまなことがありましたが、やっとここまでたどり着いた」

染谷市長は10月10日、JR東海から直接説明を受け、内容に異論はなかったと田代ダム案に対する前向きな姿勢を改めて示しました。

静岡県の担当課は、JR東海から大井川利水関係協議会の意向を確認し、回答を求める要請があったことを受け、「速やかに回答したい」とコメントしています。

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