【世界初公開】ロータリーEV搭載 マツダ次世代スポーツカーコンセプト「ICONIC SP(アイコニックSP)」発表 狙いを毛籠社長に直撃【ジャパンモビリティーショー2023】

マツダなど自動車メーカーが次世代のコンセプトカーなどを発表する国内最大の自動車ショーの報道公開が始まりました。現場から 小林康秀 キャスターの中継です。

小林康秀 キャスター:
「東京ビックサイトで開かれている国内最大の自動車ショー『ジャパンモビリティショー』の会場です。2年に一度、開催されていた東京モーターショーから名称変更され、コロナでの中止を経たため、4年ぶりの開催です。さまざまな体験型の出展が増える中、過去最高の480社を数えるといいます。地元・広島のマツダも世界初公開のコンセプトカーを発表。装いも新たになった祭典を体感してきました」

国内ではまだまだですが、世界の自動車業界がEVへシフトしつつある中で、各社のEV戦略の打ち出しが多く見られました。

トヨタ・カヨイバコ

小林康秀 キャスター:
「商用車のEVのイメージですね。薄いバッテリーを使うという想定なので、乗り降りも楽にできると、そして、イスも着脱可能という想定なので、昼間は商用車、夜は自分用の車という使い方もできる想定です」

これまではバッテリーには航続距離・充電時間・出力が課題といわれていました。そのポイントをすべてクリアするといわれる全固体電池の開発などが急務だといわれています。

日産・ハイパーフォース

小林康秀 キャスター:
「日産のGTRの後継ともみられる車ですね、重厚な造りで、窓も開きましたね。低重心で底が薄いので、全固体電池を想定しているんでしょうか」

ホンダ・ソニー AFERA

小林康秀 キャスター:
「ホンダとソニーが共同開発したアフィーラです。前のライトのところが映像が出るんです。画面が走るスマホのようだという表現がありますが、わたしは走る家電のような気がします」

BYD

小林康秀 キャスター:
「東京のモーターショーに初参加した中国のEVメーカー『BYD』です。ひと際、多くの人が詰めかけています。中国のBYDは、市場投入車のラインナップの多さを強調し、EV界をけん引しようとしています」

一方で全固体電池などは、コストがかかることも大きな課題です。それぞれの国にもよりますが、EV化が大きく広がるには時間がかかります。

マツダ

小林康秀 キャスター:
「ステージの上には、ベールに包まれた1台のクルマ。マツダのコンセプトカーの発表を前に多くの報道陣が詰めかけています」

マツダが世界初公開したのは、「MAZDA ICONIC SP(マツダ アイコニック エスピー)」です。

マツダ 毛籠勝弘 社長:
「操る楽しさにあふれたコンパクトスポーツカー・コンセプトです」

小林康秀 キャスター:
「ツーシーターのコンセプトスポーツカー「ICONIC SP」をご覧いただいています。この色は新色です。ヴィオラ・レッドといいます。この車体は、ボンネットの中にツーローターのロータリーが発電機として搭載されることになっています」

スポーツタイプの車に、マツダの技術の象徴でもあるロータリーエンジン。11年ぶりに復活か…?と思わせますが、これはMX-30と同様、バッテリー電力を搭載していて、電力が低下したらロータリーエンジンを動力としてではなく、発電機として回すロータリーEVです。

ロータリーエンジンは、水素などさまざまな燃料を燃やせる拡張性の高さを想定していて、再生可能エネルギー由来の電力で充電されると実質、”カーボンニュートラル走行” が可能になります。

マツダ R&D戦略本部 佐賀尚人 本部長:
「マツダは昔からコスモスポーツ・RX-7・ロードスターなど軽くてコンパクトなスポーツカーがある。将来、カーボンニュートラルや電動化でもなんとかそのワクワク感を表現できないか」

マツダ 毛籠勝弘 社長:
― このタイミングでこのクルマを発表した意図は?
「マツダは、いつまでもクルマは楽しいものだな、走る喜びを訴え続けていきたい。新しい時代に適合したこういうスポーツカーのコンセプトを提示することでマツダの独自性をみなさんに問いかけていきたい」

CX-60のヨーロッパでの販売は、去年7月からの1年間でおよそ85%がプラグインハイブリッド。モーターもエンジンも搭載しているタイプです。

EVとしての航続距離への心配が、このような消費行動につながっているといいます。EVの課題が解決するまでは、こういったニーズに応えながら内燃機関も含めたマルチ戦略を続けていこうということです。

モータージャーナリスト 国沢光宏 さん:
「短期的にはトヨタの力を借りて、ハイブリッドや電動化の力を借りる、その後はマツダ独自の戦略を練っていると思うが、やはりマツダというのは難しい技術をどんどん使っていくこと、楽しいクルマを作ること、あとは買いやすいお値段で出すというのはマツダにとって大切だと思う」

マツダ 毛籠勝弘 社長:
「マツダは独自の哲学を持っている。クルマは楽しいものだ、走る喜びを提供する。そのためのいろんな技術開発に取り組む会社であるということを、時代に適合し、そういった価値を今後も革新させ続けていく。それがお客さまがマツダに期待されていることだと思います」

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