いよいよ開幕のWRCセントラル・ヨーロッパ。シェイクダウン首位はヌービル、勝田貴元は7番手

 10月25日、WRC世界ラリー選手権第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー』のシェイクダウンが行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)がトップタイムを記録。日本人ラリードライバーの勝田貴元はトヨタチーム4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1で同セッションに臨み、総合7番手タイムをマークした。

 シリーズ史上初、ドイツと隣国のチョコ、そしてオーストリアの3カ国を跨ぎ、10月26日(木)から29日(日)にかけて開催されるセントラル・ヨーロピアン・ラリー。4月に行われたシーズン第4戦クロアチア以来、ひさびさのターマック(舗装路)イベントでもある今大会のシェイクダウンは、デイ1を前日に控えた25日(水)に実施された。

 競技開始前の大事なチェック走行の場となるシェイクダウンの舞台は、サービスパークが置かれるドイツ南部のパッサウ近郊のティットリンクだ。ヒョンデの“エース”であるヌービルは、晴天のもと全長3.62kmのテストコースで1分57秒5を記録し、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)を1.4秒上回り同セッショントップに立った。

「そこは面白そうだ」と初開催イベントのショートステージ走行後に語ったヌービル。

「ステージはもちろんチャレンジングだけど、正直なところ、どれも非常に良かった。多くのグラベル(未舗装路)ラリーの後だから、(いち早く)マシンのフィーリングをつかむことが重要になるだろう」

 首位ヌービルと同じく最初のランで自己ベストタイムを記録したロバンペラの今週の目標は、チームメイトでタイトルを争うライバルでもあるエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)に先着することだ。23歳の“現王者”は初戴冠への希望を捨てていないエバンスとのポイント差「31」を維持することに成功すれば、日曜日の夜に、2年連続のシリーズチャンピオン獲得を祝うことができる。

 そのエバンスはトップから2.2秒、ロバンペラからは0.8秒おくれての総合4番手につけ、タイトルを争う両名の間には前戦チリでシーズン2勝目をマークしたMスポーツ・フォードWRTのオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)が入った。タナクとロバンペラのタイムは、わずか0.1秒だ。

 5番手以下も僅差で並んでおりトップから3.1秒おくれたエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)を先頭に、コンマ3秒ずつギャップをおいて6番手にセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)、7番手に勝田が続く。

 テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)は勝田からコンマ7秒離されて8番手に。ベンジャミン・ヴェイラスとの新しいコンビで最初のラリーに挑むピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は9番手。トップ10リザルトの最後には前戦チリに続きラリー1カーを駆るグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)が入っている。

カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
来季のヒョンデ復帰をアナウンスしたオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
ベンジャミン・ヴェイラスとの新コンビで参戦するピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー

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