アストロズ・ベイカー監督が今季限りで引退へ 現地26日に記者会見

2017年を最後に現場から退いていたダスティ・ベイカーは、アストロズのサイン盗み問題でA・J・ヒンチ監督が職務停止処分を受けて解任された際、3年ぶりの現場復帰を果たした。それから4シーズンが経過し、ベイカーが率いるアストロズは4年連続で少なくともリーグ優勝決定シリーズまで進出しただけでなく、2度のリーグ優勝と1度のワールドシリーズ制覇を達成。監督としてのキャリアで初めてのワールドシリーズ制覇を成し遂げたベイカーは、2年連続となる世界一に挑戦した今季限りでの引退を決断したようだ。

アストロズはアメリカ中部時間の10月26日午前11時(日本時間の10月27日午前1時)から本拠地ミニッツメイド・パークで記者会見を予定しており、ベイカー、ジム・クレイン・オーナー、デイナ・ブラウンGMが出席する。米全国紙「USAトゥデイ」によると、この記者会見の場でベイカーの引退が正式に発表される見込みだという。ただし、ベイカーは完全に球界から去るわけではなく、球団のアドバイザー的な立ち位置で球界に関わり続けたいと考えているようだ。

ベイカーは監督としてレギュラーシーズン通算2183勝を記録。これは歴代7位の大記録である。異なる5チームを地区優勝に導き、2002年にジャイアンツ、2021~22年にアストロズでリーグ優勝を達成。そして、2022年にはワールドシリーズでフィリーズを破り、監督として悲願のワールドシリーズ初制覇も成し遂げた。レンジャーズとのリーグ優勝決定シリーズ第7戦に敗れたあと、「自分の状況と人生についてよく考えたい」と引退を示唆していたベイカー。通算2000勝以上の監督は、現役のベイカーとブルース・ボウチーを除く全員がアメリカ野球殿堂入りを果たしており、ベイカーの殿堂入りも確実視されている。

アストロズがサイン盗み問題に揺れていた2019年オフ。ヒンチ監督とジェフ・ルーノーGMを解任したクレイン・オーナーは、動揺するチームの立て直しをベイカーに任せた。人心掌握に長けるベイカーは、火中の栗を拾うような形での現場復帰となったものの、しっかり結果を残し、クレイン・オーナーは2022年にワールドシリーズ制覇を成し遂げた際、「彼は我々をダストボウル(砂嵐)から救い出してくれた」とベイカーのことを称賛していた。アストロズはベイカーの引退を正式に発表したあと、偉大な名監督の後任探しに着手することになる。

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