岩手、違法時間外労働の事業所48.8% 16年度以降最も多い割合

違法な時間外労働が確認された岩手県内事業所の割合

 岩手労働局(粟村勝行局長)は、長時間労働が疑われる県内301事業所に対する2022年度の監督指導結果をまとめた。違法な時間外が確認されたのは147事業所で、割合は48.8%(前年度比16.5ポイント増)と結果公表を始めた16年度以降で最多となった。資材高騰や人手不足など厳しい経営環境が要因とみられ、対策が急がれる。

 労使協定(36協定)で定める限度を超えて働かせるなどの違法な時間外労働が確認された割合は19年度の44.4%から20年度は35.8%、21年度は32.3%と低下したが、22年度は大幅に上昇した。新型コロナウイルス禍からの巻き返しを図る中、燃油や物価高、人材不足が重なり、限られた労働力で業務をこなしたためとみられる。

 147事業所の業種別内訳は小売りや卸売りなど商業31、製造業26、建設業24など。時間外・休日労働時間が最長の人の労働時間が「過労死ライン」とされる月80時間を超えていた事業所は50事業所(全体の16.6%)に上った。うち100時間超は35、150時間超が11、200時間超が2あった。

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