河井元法相から現金 元広島市議に有罪判決

4年前の参院選を巡り、買収目的で現金を受け取ったとして、元・広島市議に有罪判決が出されました。

弁護側は、取り調べで「供述誘導があった」としていましたが、判決は「違法性はない」としました。

判決を受けた元・広島市議の木戸経康被告は、河井克行元・法務大臣から買収目的で現金30万円を受け取ったとして、起訴されています。

しかし木戸被告は、東京地検特捜部の検事による取り調べで、不起訴を示唆する「供述誘導」があったと主張…。裁判の打ち切りに加え、「現金を受領した認識はない」などとして、無罪を求めていました。

26日の判決公判で、広島地裁は「選挙買収の報酬と認識していた」と指摘。

また、供述の誘導については「違法性があるとは言えない」などとして、罰金15万円などを言い渡しました。

■木戸経康被告

「また公訴棄却の主張が認められなかったことは全く納得がいきません。本当に無念」

刑事訴訟法などの専門家は、「供述誘導について、裁判所は余り言及していない」と指摘します。

■広島大学大学院・吉中信人教授

「公訴権乱用論については一蹴されている印象。中心的な論点ではない。考慮することにまでは至ってないかなと。1度不起訴にしているものを検察審査会の起訴相当判断を受けて、検察としては判断に従って公訴請求したものなので、法的に見ても公訴権乱用は苦しいという判断」

一連の買収事件では、検察の処分を不服とした12人の議員や元議員らが広島地裁に公判を請求しました。

これで8人が1審で有罪判決となりました。

【2023年10月26日放送】

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