近年ファッションアイテムとしても人気の90年代欧州サッカーユニフォーム。
この時代はまだ日本企業が元気だったこともあり、主要クラブチームの胸スポンサー契約も珍しくなかった。
当時のユニフォームは現在でも人気が高く、クラブのサポーターやユニフォームファンの“アイコン”となっているものも少なくない。
ここでは、そんな90年代「日本企業が胸ロゴ」のユニフォームから5着をご紹介しよう。
ユヴェントス
ユヴェントス 1995-96 Kappa ホーム ユニフォーム
選手:ジネディーヌ・ジダン
ビッグクラブと日本企業のコンビを代表するチームの一つがユヴェントス。伝統の白黒縦じまに「SONY」のロゴマークは90年代サッカーシーンの象徴でもあり、忘れられない格好よさだ。
このユニフォームはパリ・サンジェルマンとのUEFAスーパーカップで着用したもの。この時代は「SONY Mini Disc」ロゴの印象もあるが、使用時期によってはセリエAでも企業名のみのロゴを使っている。
90年代を知る日本のサッカーファンにとっては「ユヴェントス=SONY」のイメージが今でも強く残っているかもしれない。契約期間は1995年から98年までと、実はそれほど長いわけではなかった。短期間で強烈な印象を残したロゴマークと言える。
マルセイユ
オリンピック・マルセイユ 1991-92 adidas ホーム ユニフォーム
選手:ジャン=ピエール・パパン
フランスの名門マルセイユとパナソニックの母国のガンバ大阪。サッカーユニフォームの世界で「Panasonic」ロゴといえばこの両者が2大クラブで、世界各国のユニフォーム好きの共通認識と言えるだろう。
マルセイユはパナソニックとの契約時代にリーグ・アン(ディヴィジョン・アン)4連覇とチャンピオンズリーグ優勝を成し遂げている。正しく黄金期だったが、92-93シーズンの優勝は後に八百長発覚で剥奪されチームも2部へ強制降格処分となった。
両者の契約期間は1989年から93年まで。ガンバ大阪やマルセイユ以外にも欧州・アジア・南米のいくつかのクラブと契約し、2023年は中国1部の浙江職業(旧名:杭州緑城)のパートナーとしてロゴを掲出している。
マンチェスター・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッド 1996-98 Umbro ホーム ユニフォーム
選手:デヴィッド・ベッカム
ユニフォームとスポンサーロゴの黄金コンビである。プレミアリーグ発足以前のイングランドでユニフォームの胸スポンサーが解禁後、ユナイテッドが初めて契約した企業が日本小家電メーカー「SHARP(シャープ)」だった。
デヴィッド・ベッカムはこのユニフォームを着た1996-97シーズンのウインブルドン戦で約55mのロングシュートを叩き込み、全世界のサッカーファンを驚かせている。
80年代・90年代のユナイテッドといえば「SHARP」というくらいに強い印象を残したロゴマーク。両者のパートナーシップは1982-83シーズンから始まり、1999-2000シーズンに終了するまでの18年間で数々のタイトルを獲得してきた。文字通りクラブの黄金時代を象徴するロゴマークだ。
アーセナル
アーセナル 1999-2001 Nike アウェイ ユニフォーム
選手:デニス・ベルカンプ
アーセナルと日本企業のつながりは深く、イングランドでの胸スポンサー解禁後に初めて契約した企業は日本ビクター(JVC)。そのJVCとの契約が終了し、新たなスポンサーとなったのが家庭用ゲーム機器「Dreamcast」などを手掛けていたセガだった。
当時アーセナルではユニフォームによって2つのロゴを使分け、ホームとサードにはゲーム機器「Dreamcast」、アウェイには企業名「SEGA」のロゴマークをそれぞれ付けている。
セガとアーセナルの契約期間は1999年から2002年までの3年間。セガは2001年1月にDreamcastの家庭用ケーム機市場からの撤退を表明したこともあり、01-02シーズンを最後に契約が終了したものと思われる。
アトレティコ・マドリー
アトレティコ・マドリー 1996-97 Puma ホーム ユニフォーム
選手:ディエゴ・シメオネ
欧州主要リーグの「有名チームと日本企業のスポンサー」で、意外と忘れられるのがアトレティコ・マドリーとバンダイである。そもそもアトレティコのユニフォームに日本企業のイメージはほぼ皆無なので、無理もないことかもしれない。
日本の老舗玩具メーカーであるバンダイはこの96-97シーズンのみ、アトレティコのユニフォームに「BANDAI」ロゴを掲出していた。ちなみにチームはこのシーズンのラ・リーガを5位でフィニッシュし、UEFAチャンピオンズリーグはベスト8入りを果たしている。
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アトレティコ・マドリーと玩具メーカーのバンダイ。少々不思議な組み合せにも見えるが、この契約は当時バンダイが発売したばかりだった小型ゲーム機「たまごっち」のプロモーションが目的だったと言われている。
たったの1シーズンしかない「アトレティコ×BANDAI」。ユニフォームも当然ながらお宝級のレア度を誇る。
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