【タイ】長安汽車、EV工場を25年1~3月に稼働[車両]

チャンアン・オート・サウスイーストアジアの沈社長(左2)とWHAのチャリポン会長(左3)が土地売買契約を結んだ=26日、タイ・バンコク(NNA撮影)

中国自動車大手の重慶長安汽車がタイ東部ラヨーン県に整備する年産10万台の電気自動車(EV)工場は、2025年1~3月に生産を開始する見通しだ。長安汽車の子会社チャンアン・オート・サウスイーストアジアの沈興華社長と、タイの工業団地・賃貸倉庫大手WHAコーポレーションのチャリポン会長が26日に明らかにした。

WHAと長安汽車は同日、工場建設予定地の土地売買契約を結んだ。長安汽車はラヨーン県の「WHAイースタン・シーボード工業団地4」で250ライ(99エーカー)の土地を購入し、年産10万台の第1期工場を設置する。

沈氏はWHAとの契約式典で「第1期に88億6,200万バーツ(約367億円)余りの予算を割り当てる」とコメント。EVのほかプラグインハイブリッド車(PHEV)、レンジエクステンダー車(REEV)などの右ハンドル車を生産し、タイ市場でシェア獲得を図ると同時に、タイから東南アジア諸国連合(ASEAN)、オーストラリア、ニュージーランド、英国、南アフリカに輸出する。

第1期工場は11月8日に起工式を行い、25年1~3月の生産開始を目指す。300ライの土地を追加購入し、第2期工場を建設して年産台数を20万台超にすることも見据えている。タイ工場では部品やバッテリーも生産する。

■11月に2モデル投入

長安汽車は11月30日~12月11日に開かれる自動車展示・販売会「タイ国際モーターエキスポ2023」に合わせて、11月29日に2モデルをお披露目する。タイメディアによると、2モデルは「深藍(Deepal)」ブランドのEVとなるようだ。

来年にはさらに1モデルを追加し、23~24年にタイで2万~3万台を販売することを目指している。24年末までにタイ国内で40~60カ所のサービス拠点を設置する。

長安汽車はタイ政府との間で、研究開発(R&D)センターの設置についても協議しているという。

■中国EV投資2千億円超に

WHAによると、中国EVメーカーによるタイへの累計投資額は14億4,000万米ドル(約2,170億円)を超えている。タイ投資委員会(BOI)はこれまでに、16社に23カ所のEV工場建設を認可。30年までにタイの自動車生産にEVが占める割合は30%に増加し、生産台数は年間72万5,000台に達すると予測されている。

長安汽車が展開する深藍ブランドのエコカー。11月に同ブランドのEV2モデルをタイでお披露目するとみられている=22年12月、中国・広州

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