特殊景品数百万円分盗む 野々市のパチンコ交換所

  ●金沢、白山では侵入未遂

  ●防犯カメラに2人組

 野々市市内のパチンコ景品交換所で10月上旬、出玉を換金する際に用いる「特殊景品」数百万円分が盗まれていたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。金沢、白山両市の交換所では入り口をこじ開けようとした痕跡が見つかり、金沢では侵入を試みる2人組の姿が防犯カメラの映像で確認された。石川県警は同一グループが窃盗目的で交換所を狙った可能性があるとみて捜査している。

  ●別の場所で換金か

 捜査関係者によると、いずれも8日未明から朝にかけて被害があったとみられる。野々市市の交換所では何者かが内部に侵入し、カード状の特殊景品が大量に盗まれた。

 金沢市の交換所に設置された防犯カメラには、フードをかぶった2人組が、棒状のものを入り口のドアの隙間に差し込む様子が映っていた。ドアは開かず、2人は5分ほどで何も取らずに逃走した。白山市の交換所も窃盗被害はなかったものの、ドアの隙間に何かを入れたようなひしゃげた跡が確認された。

 パチンコ業界関係者によると、特殊景品にはカード状やパイプ状のものがあり、野々市市の交換所から盗まれたカード状の特殊景品は、換金できる額によってタイプが分かれている。同じ特殊景品を取り扱う別の交換所でも使えるケースがあるという。

 県警は、犯行グループが盗んだ特殊景品を他の交換所で換金している可能性もあるとみて、防犯カメラの解析などを進めている。

 県警によると、県内の9月末時点の刑法犯認知件数は、暫定値で3508件(前年同期比830件増)となっている。窃盗犯は2498件(同504件増)で、このうち侵入盗は314件(同73件増)だった。

 ★パチンコの景品 食品や雑貨などの一般景品と、換金可能な特殊景品の2種類がある。一般景品は玉を借りた時と等価で出玉の数に応じて交換できるが、特殊景品は店によって玉との交換率や種類が異なる。

© 株式会社北國新聞社