御堂筋線「動物園前駅」のリニューアル完成、動物タイルは活用

大阪の地下鉄「Osaka Metro」(本社:大阪市西区)の御堂筋線「動物園前駅」(大阪市西成区)の大規模リニューアルが完成。その模様が10月27日(26日の終電後)に報道関係者に披露された。

リニューアルが完成した、Osaka Metro御堂筋線「動物園前駅」のホーム階

老朽化した駅の壁・天井の剥離や落下等の防止対策など、駅の安全性を確保する工事に合わせ、「魅力的なデザインや機能を充実させることにより、駅自体を楽しんでいただけるように」と、2018年から始まった地下空間の大規模改革。

御堂筋線「動物園前駅」は1938年に開業。今回、1969年に一度改装されてから約55年ぶりのリニューアルとなる。

デザインコンセプトは「まるで自然のなかにいるかのような空間」。前回の改装時に描かれて以降、長く親しまれてきたホーム階の「動物タイル」は利用者からの多くの声に応え、保存・活用することとなった。

動物をモチーフにした案内サイン、丸で統一された通気孔など、全体的に柔らかいイメージに

新たに動物タイルを覗く孔(あな)を設置することで、森で動物たちが見え隠れするような楽しさを演出。一部には人感センサーによってタイルに描かれた動物の鳴き声がする仕掛けが施されており、ゾウやライオンのほか、「キリンってこんな鳴き声なんや」など学ぶことができるように。

また「天王寺動物園」の最寄りとなる東コンコース階は一部拡張され、駅利用者の待ち合わせなどに利用できるスペースが新たに登場。壁面には動物園前駅周辺地域の雰囲気を感じさせる、イラストレーター・つちもちしんじさんによるグラフィックアートが設置された。

Osaka Metro御堂筋線「動物園前駅」の東コンコース階

同社の説田隆二建築部長は、今回のリニューアルについて「これまで動物園前駅の構内は少し暗いイメージがありましたが、今回、地下空間でありながらも、まるで自然のなかにいるかのようにワクワクする、楽しくて明るい空間を目指しました。この駅は天王寺動物園や新世界が近く、インバウンドの方も増えて街の雰囲気も変わってきている。多くの人に愛される駅になれば」とコメント。

15駅リニューアルがおこなわれる大規模改革。新大阪、中津、梅田、心斎橋、動物園前が完了しており、淀屋橋、天王寺、堺筋本町、大阪港が現在工事中で、2025年3月にすべての駅のリニューアルが完了する予定。

© 株式会社京阪神エルマガジン社