「フェイスブックの創設者兼CEO」が通知「7500万円の宝くじに当選」 客から相談受けたコンビニ店員

特殊詐欺被害を防ぎ感謝状を受け取った濱田将司さん(中央)=加西署

 兵庫県警加西署は、特殊詐欺被害を防止したコンビニエンスストア「セブン-イレブン加西北条東高室店」店員の濱田将司さん(36)に感謝状を贈った。

 同署によると、9月10日午前0時20分ごろ、40代の男性が来店し、電子マネー10万円分の購入を申し出た。濱田さんが詐欺の可能性を指摘し、購入を思いとどまらせ、被害を防いだ。

 男性のフェイスブックに「フェイスブックの創設者兼CEO」と名乗る何者かから友だち申請が届き、承認すると「約7500万円の宝くじ当選者に選ばれた。現金の配達代金10万円を支払う必要がある」「コンビニでアップルギフトカードを買え。支払いを確認し次第、日本の自宅住所に配送チームが向かう」などの通知が送られてきた。

 男性は濱田さんに対し、「自分一人では判断できない。相談に乗ってほしい」と説明を始めた。濱田さんが「フェイスブックのやりとりだけで、書面も送られてこないのはおかしい」と指摘したところ、「時間をおきます」と帰宅し、警察に相談したという。

 10月11日に加西署であった感謝状贈呈式で濱田さんは「40代の男性なら電子マネーを10万円分くらい購入するかなと疑問に思わなかった。相談を受けたのでアドバイスができた」と振り返った。(敏蔭潤子)

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