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長崎県対馬市の観音寺から盗まれ韓国に持ちこまれた仏像の所有権を巡る訴訟は26日、観音寺の所有権を認める判決が韓国最高裁で確定した。これで7年半にわたる一連の訴訟は終結。観音寺関係者は「道理にかなった判決」と評価し、今後の日韓関係改善を望む声も聞かれた。
観音寺の田中節竜住職(48)は対馬市内で取材に応じ「一つの区切りがついたが、最終的には仏像が対馬に返ってくることが決着。地域の方の安心した表情を見ることが一番の願いだ」と冷静な表情で語った。
仏像返還が実現した場合の対応を問われると「私の考えとしては、二度とこうしたことが起こらないよう安全な場所に保管した方がいい」と述べた。具体的な場所については「総代と話してから」としている。
確定した二審判決は、仏像の返還について、韓国政府が国際規範を考慮して検討する必要があるとした。ただ日韓両政府が関係改善に動いている中でもあり、地元の早期返還への期待は高まっている。
田中住職の父で、前住職の節孝さん(77)は長年、寺の“広報担当”として報道対応を担ったほか、返還を求めて訪韓し、浮石寺関係者と面会したこともあった。盗難事件発生から判決確定までの日々を「長い11年だった」と感慨深げに振り返り「成熟した日韓関係を築くためにも、返還手続きをスムーズに進めてほしい」と注文した。
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観音寺の総代長、村瀬辰馬さん(69)=豊玉町小綱=も「窃盗団は憎いが、韓国が憎いわけではない。日韓関係は国境の島にとって重要であり、仏像問題解決で改めていい関係になれば」と期待。先代総代長の父は返還を見届けることなく亡くなった。「ショックで悔しがっていた。今ごろ喜んでいると思う」と話した。
比田勝尚喜市長は「待ち望んでいた正当な判決であったことに、大変うれしく思っている」とコメント。仏像は県指定有形文化財であり、大石賢吾知事も「できるだけ早く返還されるよう、引き続き関係機関と連携を図っていく」との談話を発表した。