ハイセンスグループのレグザ三沢工場(青森県)閉鎖へ 立地半世紀、テレビ市場縮小で拠点集約

閉鎖される方向の「TVS REGZA」青森事業所三沢工場=26日午前、三沢市南町

 青森県三沢市で液晶テレビの修理などを行う「TVS REGZA(レグザ)」(本社・川崎市)の青森事業所三沢工場が閉鎖される方向であることが26日、同社への取材で分かった。約80人いる従業員の大半に、埼玉県の事業所への異動を打診したもよう。県の誘致企業として半世紀以上前に立地し、雇用などで地域貢献してきた工場が三沢から姿を消すことになった。

 中国の家電大手・海信集団(ハイセンスグループ)の一つで、経営権を持つREGZA社が今年に入り検討を重ねていた。背景にはテレビ離れや物流コストの高騰が挙げられる。国内の市場は2年前の東京五輪を境に縮小。若者のテレビ離れも相まって、新型コロナウイルス禍の「巣ごもり需要期」より、2割ほど生産が減っているのが現状だ。また近年、燃料や人件費が高騰。運転手の時間外労働が規制強化される「2024年問題」を控え、移動の負担が大きな地方より、物流拠点が多い首都圏に集約を図ることにした。

 三沢工場の機能は埼玉県行田市の事業所に移される一方、コールセンター業務などを担う同社五所川原工場はこのまま維持される。

 同社は県や市に既に方向性を報告。26日までに従業員への説明を終えた。三沢工場の建物・敷地の売却や賃貸を検討しており、同社経営企画部の岡本敏宏副部長は「50年以上、市に根づいてきただけに、残念な思いはある」と語った。

 三沢工場の前身となる東芝電子音響は1967年に設立。その後、東芝三沢メディア機器となり東芝製テレビの生産を担った。2016年に東芝映像ソリューションへと名称変更。18年に中国海信集団の傘下に入り、やがて現在の名となった。20年ほど前の最盛期には500~600人の従業員を数えた。

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