犬の散歩、実は危険な『秋の植物』5選 危険な理由に「拾い食い対策が大切」「知らなかった」

犬の散歩で要注意!実は危険な『秋の植物』5選

犬の散歩をしていると、さまざまな植物を見かけますよね。中には、犬にとって危険な植物もあるので注意が必要です。ここでは、犬の散歩で注意が必要な犬にとって危険な『秋の植物』を紹介します。

1.イチジクの木

イチジクの木が生えている家から、イチジクの実が外から見えることはありませんか。場所によっては、イチジクの枝や葉、実が外に転がり落ちていることもあるでしょう。

実はイチジクの実はもちろん、樹液や葉、枝全てに光毒性成分である『フラノクマリン』、タンパク質を分解する酵素『フィシン』、そして葉には『ラテックス』が含まれています。

これらの成分は犬が触れるだけでも皮膚炎や蕁麻疹、最悪の場合にはアナフィラキシーショックを引き起こす危険性があるので注意しましょう。

2.シュウメイギク

9月〜11月頃に開花するシュウメイギクは、公園の花壇や道路に設置されている花壇などで見かけることの多い植物です。シュウメイギクの葉や茎には『プロトアネモニン』という成分が含まれているので注意しましょう。

プロトアネモニンは、触れると皮膚炎やかぶれを引き起こす危険性があるため、毒性があることで知られています。触れることはもちろん、口に入れてしまうと非常に危険なので、近づかないようにしましょう。

3.彼岸花

彼岸花は秋のお彼岸に欠かせない花として日本中で広く知られています。地域によっては、花壇や道端に咲いている場所がある、という所もあるでしょう。

彼岸花には消化器症状や痙攣を引き起こす『リコリン』や『ガランタミン』という成分を多量に含んでいます。特にリコリンは毒性が強く、嘔吐や下痢だけでなく、呼吸困難や中枢神経麻痺を起こす可能性もあります。食べてしまうと非常に危険な上に最悪の場合、死に至る事例も報告されているので絶対に近づかないでください。

4.イチイの木

公園などでよく見かけるイチイは、赤い小さな実がなるのが特徴的です。実の中に含まれている種、さらに葉や樹皮には『タキシン』という犬にとって有毒な成分が含まれています。

タキシンを摂取してしまうと、痙攣や呼吸困難などの症状を引き起こし、亡くなる危険性があります。過去に、人でも死亡例が出るほど強い毒性なので、絶対に口に入れたり拾い食いしないよう注意しましょう。

5.イチョウ(銀杏)

イチョウの木は秋の代名詞と言っても過言ではないほど、美しい風景を演出してくれます。イチョウ並木を散歩ルートに入れているという方も多いかもしれませんね。

しかし、イチョウの木から落ちる銀杏は犬にとって有毒です。嘔吐や痙攣の原因となる『ギンコトキシン』や踏むだけでも皮膚炎につながる『ギンコール酸』が含まれているので、なるべくイチョウの木が多いルートは避けた方が安全です。

拾い食いや誤食しないためにすべき対策は?

愛犬が植物や植物の実などを拾い食いしたり誤食したりしないよう注意するためには、飼い主が終始しっかり見張っておく必要があります。

しかし、より万全な対策を施すのであれば、散歩ルートに今回紹介したような危険な植物がないか事前に確認したり、植物に直接肌が触れないよう洋服を着せたりすることをオススメします。

また日頃から「ダメ」「NO」など、行為をやめなければいけない時のためにコマンド指示を学習させておくことも重要です。

まとめ

いかがでしたか。散歩ルートには、犬たちの好奇心をくすぐるような植物がたくさん生えています。中には犬にとって有毒性のあるものや棘のあるものなどが生えていることもあるので、飼い主さんがしっかり注視し、誤食や怪我につながらないよう気を付けましょう。

(獣医師監修:後藤マチ子)

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